♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯         オタルナイ・レコード提供          浜田隆史の音楽情報誌          『ライブ・ラギング』            <VOL.4>         (2003年5月20日発行) ♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯  浜田隆史:  北海道小樽市を拠点に活動している、ラグタイム・ギタリスト。  自主制作CDを多数発表している他、1999年に「TAB Guitar School」から『クライマックス・ラグ』のCDと楽譜集を発表、ラグタイム・ギターの第一人者として評価されました。多数のオリジナル曲の他、スコット・ジョプリンなどのピアノ・ラグをギターにアレンジしたものが十八番です。 ====================================================================== ■はじめに  このメールマガジンは、「Yahoo! eグループ」またはBCCで配信されています。今まで電子メールで交流のあった方にお送りしていますが、もし不要な方は、お手数ですがこのままご返信ください。次回からは配信されません。  すっかり春めいてきて、北海道の小樽運河も観光シーズン到来です。私の本業である小樽運河でのストリート・パフォーマンスは、今のところ昼0−4時のあたり(誤差もあり、雨天中止)で行っていますので、どうぞお気軽にお越し下さい。 ====================================================================== ■ 春のツアー報告  3月下旬の「春の本州ツアー」、4月中頃の九州を含めた「ツアー2」が無事(?)終了しました。合計で全国十数カ所を巡る、私としては過去最大のツアーでした。いろいろな事がありましたが、今となっては良き思い出です。  私のホームページの「ライブ日記」で、このツアーのレポートを執筆中です。全部書き終わるまではもうしばらくかかると思いますが、ぜひご一読のほどお願いいたします。 http://www.geocities.jp/otarunay/livenikki.html ====================================================================== ■ 気になる音楽情報 B  ライブツアーも終わって、今の私は充電期間中です。いい音楽をいっぱい聴いて楽しみ、これからの活動もがんばって進めていきたいと思います。  さて、気になる音楽と言えば私の場合、やっぱりラグタイムが一番なのですが、なかなか主なラグタイム・ピアニストの新譜情報がありません。ここで、少ないながらトピックスを挙げます。  ラグタイムをベースにした南米風現代音楽の一種、テラ・ベルデを紹介するウェブ・サイト「テラ・ベルデ・コーナー」によると、モダン・ラグタイム作曲家の Glenn Jenks が、最近「Cinco Danziones」というテラ・ベルデ風の組曲を完成させたそうです。その内の一曲「Arrogancia」がMIDIで試聴できますが、この曲、タイトルは「傲慢」という意味らしく、ブッシュ大統領に捧げられているとの事。早くアルバムで聴きたいものです。 http://www.terraverdemusic.org/  また、私のホームページのリンクなどでもご紹介している作曲家の Greenfield Bowie のホームページが最近リフレッシュして、いろんな曲の試聴がMIDIでできるようになりました。彼のラグタイム・アルバム「Hill Country Ragtime」(B&B Music Folios POMB-020、2001年)は22曲入り、70分以上の大作で、ご機嫌なラグタイムが十二分に堪能できる名盤です。ラグタイム以外のクラシカルな諸作もあり、味わい深いものばかりです。彼のホームページをぜひご覧下さい。 http://greenfieldbowie.com/ ====================================================================== ■ 好きなアルバム C  タンゴ界の異端児、アストル・ピアソラ(1921-1992)の音楽は、過去日本でも折に触れて紹介されてきましたが、私は最近縁があって、ギターによる二種のピアソラ・アルバムを聴きました。いつ聴いても、どんな形でも、いいものはいいと再認識しました。何だか、聴いているだけで心が豊かになっていくような気がするのです。  一つは、アルゼンチンの天才ギタリスト、ファンホ・ドミンゲスの最新作「Juanjo Dominguez plays Astor Piazzolla」(ラティーナ、MUSAS5001、2002年)。ファンホのギターについては、私が言葉をいくら労したところで、その素晴らしさは伝えられません。完璧なギタリストとは、まず一番に彼を指す言葉だと私は思います。  私の愛聴盤で、前作の「わたしの好きなタンゴ」(ビクター、VICP61246、2001年)は基本的にはギターソロでしたが、最新作はソロよりも多重録音による二〜三重奏の形が多いです。これはすごい。ピアソラの表現力豊かな音世界が、まさに完璧にギターのみで築き上げています。フォルクローレにも精通しているファンホの手に掛かると、今まではやや鋭角的に感じていたピアソラ音楽の演奏に、ある種の牧歌的な丸みというか、余裕すら感じてしまいます。  ピアソラの音楽は、保守的なタンゴファンではなくジャズ・ファンにアピールされることが多いように思うのですが、この暖かいギターの響きと情感溢れる演奏はまさしく中南米音楽、いや全てのギター音楽愛好者の耳を満足させるに違いありません。必聴盤です。  もう一つは、ファンホのアルバムで含蓄ある解説文を書かれていた、ギタリストの飯泉昌宏さんのアルバム「Music of Astor Piazzolla interpreted by Iizumi Masahiro Trio+1」(BORDONA MA-0401、1999年)です。実は、以前私の東京でのライブに飯泉さんがありがたくも見にいらっしゃいました。何と私と同い年とのことで、大いに音楽談義が盛り上がりました。その縁で私はこのCDを手に入れたのです。  タイトルからおわかりの通り、基本的に飯泉さんのギター、渡辺英一さんのエレキ・ギター、佐野真司さんのドラムスというトリオでの演奏を収めていて、これがとびきりスリリングです。先のファンホの多重録音により構築された音には、全く破綻が見られない一方(それはそれでよいのですが)、トリオ演奏のどんどん荒々しく高揚していく様は、やはり「集団即興的な表現」(ライナーより)ならではの良さがあります。  日本にも飯泉さんのような優れたタンゴ・ギタリストがいると言うことを、多くのギター・ファンに知っていただきたいと思います。 http://homepage3.nifty.com/bordona/index.html  アプローチが違うだけで、同じ作曲者の曲もかなり異なる印象を持ち得るということ、そしてよい音楽にはスタイルの違いを乗り越えた懐の深さがあるということ、こうした音楽の醍醐味を、私はこの二枚のピアソラ盤から感じ取りました。 ====================================================================== ■ 全く音楽と関係ない話題 B  ホームページでもご紹介していますが、アイヌ語絵本『ウパシクマ』の作者・片山龍峯さんと中本ムツ子さんが取り組んでいる、新刊本『アイヌ神謡集を読みとく』の最終校正作業が終了しました。はっきり言って本業のギターより力を入れてきたくらいだったので、まだ完成とまではいきませんがとりあえずめどが立ったことをうれしく思います。  この『アイヌ神謡集を読みとく』は、タイトルが示す通り、アイヌ文学の金字塔である『アイヌ神謡集』(知里幸恵著、岩波文庫)の読解書です。これは、カムイユーカラ(神謡)と呼ばれる節付きの物語です。今までそれがどのように歌われていたかは謎のままでしたが、片山さんが過去の類話などから復元しました。それを中本ムツ子さんが実演したものが、別売りで4枚組のCDになる予定です。つまり本とCDの二本立てで、口承文学であるカムイユーカラに親しむには最適の企画と言えるでしょう。  発表時期など、予定が決まり次第またお伝えいたします。 ====================================================================== ■ライブ情報など  ツアー終了直後で、ライブの予定はあまり入っていませんが、少ないながらご紹介します。ご都合のよろしい方は、是非私のライブを楽しんでください。 ★ 6月4日(水)開演20:00  小樽・一匹長屋(花園町、もと松竹ボーリング向かい)  【オープニング・アクト】ノブエリ(ギターとボーカルのデュオ)  【料金】2000円(1ドリンク付)  【問合先】0134-32-4049(一匹長屋)  【一言】一匹長屋のライブは、私の唯一の定期ライブ。      前回の打田十紀夫さんとのライブは、満員御礼でした。 ★ 7月12〜13日(土、日) 追分・ラッキーフェスティバルに出演  追分町 JR東追分駅下車、車で数分  【問合先】http://www.sh.rim.or.jp/~dulciman/oiwake/oiwake.html  【一言】恒例のラッキーフェス、今年も参加します。      この日を目指して、私の友人・覆面シンガーも猛練習しています。  うわ、ホントに少ない。 ====================================================================== ■新作『ライブ・ラギング2』予告 Live Ragging 2 [OTR-015] (2003)¥2,000(予価・税込)  『ライブ・ラギング』(OTR-014, 2002)は、制作当初の「ライブ会場で売りつける即席ライブ音源」という思惑を超えて、今まで作ってきたアルバムの中でもかなり楽しめる内容になったと思っています。そこで、熱が冷めない内にライブ盤をもう一枚作りたいという事になりました。現在、2003年のツアーを中心とした音源から選曲して、ライブ・アルバム第二弾を制作する予定です。選曲など、実際の作業はこれからですが、今のところ、6月中に発表できればと思っています。  次号で、詳細をお伝えしたいと思います。ご期待下さい。  ではまた。 ====================================================================== 発行者:浜田隆史 〒047-0021 小樽市入船3-4-23 tel & fax : 0134-24-9620 e-mail:otarunay@yahoo.co.jp 「オタルナイ・レコードのホームページ」 http://www.geocities.jp/otarunay/ ======================================================================