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7.2006年10月31日(火) 東京・日比谷での練習日。

風情のある京都の旅館に別れを告げ、出発。

さて、本日はいろいろ記念すべき一日となりました。
まずは、京都の続きとばかりに、ラゲディ・アンさんやRagtimeCaveさんと浅草めぐり。
途中で食べた回転寿司のうまいこと。


(左:RagtimeCaveさん、デヴィッドさん、浜田。)
(右:浜田、RagtimeCaveさん、デヴィッドさん、ラゲディ・アンさん。)

何か、ステージよりも観光の方がいっぱい写真がある...

さて、今日の一番の予定は、松尾ホールの付属スタジオでの練習。
コンサート初日、大成功を収めた松尾ホールには、三つの練習スタジオが併設されています。
スタインウェイのグランドを安価で練習に使えるという、ピアニストにとっては夢のような場所です。

デヴィッドさんの練習風景を見るのは二回目ですが、今回はスタインウェイのグランドの音を
ごく間近に体験するというすごい状況。スタジオ内は狭く、同席した私はその迫力に圧倒されっぱなし。
おまけに、今まで聴いたことも無い未発表曲まで演奏していただきました。

私は最初遠慮しようとしたのですが、デヴィッドさんの練習方法としては、
本番のレパートリーだけを執拗に繰り返すのではなく、
指慣らしのためにいろいろな曲を演奏する方がよいらしいのです。

http://www.geocities.jp/otarunay/DTRcomp.html

上記の作品リストにある「Rag No.3」、「Morria's Lake Wales Waltz」、「Distant Countries」、
「Girl Of Gainesville」、「Ridgerunner」
のさわりの部分などなど...
なぜ未発表のままなのか理解できないくらい、素晴らしい作品ばかりでした。
ああ、私一人で聴くのは実に、実にもったいない!
思わず「いつか、ぜひデヴィッドさんの作品全集を出して下さい!」とお願いしてしまいました。

さて、そのあとがまたすごかった。
練習が終わったあと、RagtimeCaveさんと待ち合わせをして、どこへ連れて行かれるのかと思ったら、銀座のとあるバー。
何とそこにはBob Greeneさんがいらっしゃいました。
ボブさんは御年84才の伝説的なラグタイマーで、現在ちょうど日本にやってきていたのでした。


(左:デヴィッドさんとボブさん。)
(右:ボブさんのモートン風演奏風景。実に見事!)

デヴィッドさんはかなり以前にボブさんと会った事があるだけだったそうですが、
ジェリー・ロール・モートンへの愛情に共通するものがあるためか、本当に楽しく和やかな雰囲気で、話が弾んでいました。
私たちは、歴史的な出会いをこうして目撃することになったのです。

同席していたジャズ・ピアノの深澤さんの演奏のあと、ボブさんの演奏。
お年を忘れてしまうくらいパワフルで、しかも枯淡の域に達した叙情的なトーンは、まさに生きた伝説。
本当に素晴らしいものでした。
お人柄も優しく、周りの人が思わず和んでしまうような雰囲気を持った人でした。

デヴィッドさんも感動した様子で、お返しとばかりに自作曲やモートンの曲まで披露して、
この記念すべき感動の一夜を盛り上げたのでした。


(左:デヴィッドさんの演奏。まるで、ボブさんとピアノで会話しているようでした。)
(右:浜田、深澤さん、デヴィッドさん、RagtimeCaveさん、そしてボブさん。)

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 この日のエピソード。
 ホテルに戻って、私の部屋で奥さんにメールを打っているときも、デヴィッドさんはこの日のことを
 「本当に、本当にすごい体験だった」「なんて素晴らしい日なんだろう!」と興奮気味に私に語っていました。
 ボブさんとの思いがけない交流が、遠い異国の日本で行われたことに、不思議な縁を感じていたようです。
 こんな素晴らしい出会いを演出してくれた、RagtimeCaveさんに大感謝です!
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