浜田隆史詩集
 流れよ我が涙 Flow, My Tears(2009)
(2009.6.3更新)

 

  乾いた目

ぐずぐずした季節が
私を悩ませる
落ち込むために詩を書き
テレビに殴られる
パソコンに噛みつかれる

そう来るのかお前ら
ここでそんな嫌なニュースなんかやるのか

私の乾いた目には
海の静けさが
山葡萄のすっぱさが
薄く陰った陽光が
埃をかぶったストーブが
ひねくれた心が浮かぶ

だいぶ前に亡くなった
あの人を思い出して
肌寒い心にジャンバーも
かけずに急に
しゃくり声を上げた
離れたところに自分がいて
それを受け狙いだと糾弾する
誰の?

ああ乾いた目よ
私は君を疎んじる
何も見えていない
この石のような目は
人の世の情けが
タイミングがわからないものか
君はあの時あそこでだけ泣くべきだった
私はいつも悩みながら
そう言うのだった
(2009・3・30)

 

  ここにいたら

あの人がここにいたら
いろんな話をしよう
ずいぶん前にもらったもののお礼を言い
聞いていなかったアドバイスを聞き
やっていなかったセッションもして
投げ銭も入れてもらおう

でも困るだろうからやめておこう
ここにいたらこう言うだろう
ああ言うだろう
その程度にしよう

ボクはしつこいです
ホントにいい加減にしたいです
流れ星も
尻尾の方はどうもよく見えないのです

信じなければいい
それは信じる力よりずっと強い
数えられない風とかじゃなく
ずっと国際便とかに乗っている
その程度にしよう
ボクは自分たちの同族の尻尾
流れ星の尻尾を信じない

その程度の話です
(2009・3・30)

 

  落ちる場所 NEW!!

誰だよ変なこと言ったのは
みんなコースアウトしたじゃないか

涙の落ちる場所がなくなった
拳が開いた

信じなければいい
でも不幸の方を信じてしまった
不幸を信じた方が現実的

現実的な皆さん
そして力の弱い私でした
(2009・6・3)

 

  言葉 NEW!!

宙に浮いた言葉の磁力で
私の憂鬱は引っ込んだ

言葉は波紋を作り
私たちの思考や行動を促した

もどかして
胸が苦しくて仕方ない
正解のない言い訳ばかりしている
言葉は新たな悩みを作り
しかし新たな言葉を
希望を
湧き水のように生んだ

だから言葉が好きだ
私の涙は引っ込んだ
(2009・6・3)

 

 

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