♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯        オタルナイ・レコード提供         浜田隆史の音楽情報誌         『ライブ・ラギング』          <VOL.23>        (2005年11月1日発行) ♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯  浜田隆史:  北海道小樽市を拠点に活動しているラグタイム・ギタリスト。  自主制作CDを多数発表している他、1999年に「TAB Guitar School」から『クライマックス・ラグ』のCDと楽譜集を発表、ラグタイム・ギターの第一人者として評価されました。多数のオリジナル曲の他、スコット・ジョプリンなどのピアノ・ラグをギターにアレンジしたものが十八番です。 ======================================================= ■はじめに  みなさん、お元気ですか。ついに寒気到来で、冬の足音も聞こえてきました。北海道ではすでに雪虫が現れました。私が小さい頃はそれが雪に変わるものだと本気で信じていました。  さて、11月の西日本ツアーがもう間近です。今回は「ツアー直前特集号」としてお届けいたします。  このメールマガジンは、「Yahoo! eグループ」またはBCCで配信されています。今まで電子メールで交流のあった方にお送りしていますが、もし不要な方は、お手数ですがこのままご返信ください。次回からは配信されません。 ======================================================= ■ 新作アルバム、絶賛発売中! ★『浜田隆史・プレイズ・ロベルト・クレメンテ』 (OTR-019、税込2500円) http://www.geocities.jp/otarunay/newdisk.html http://www.geocities.jp/otarunay/roberto.html  10月に発表したクラシック・ラグ編曲集、おかげさまで絶賛発売中です。すでに海外のラグタイム愛好家を含め、高い評価を頂いています。  今のところ、地元・小樽ではトーンポエムにて販売中。その他、東京のカワセ楽器、TABギタースクールでも販売中です。  私のホームページでは、詳細な曲目解説を執筆していますので、これも参考にしていただければ幸いです。 ======================================================= ◎ メールマガジンで初公開の情報!  上の新作アルバム、録音は一週間弱で終わりましたが、私にしては珍しく、マスタリングにそれ以上の時間を掛けました。その甲斐あって、今までのアルバムの中でも最も高音質になり、リラックスして聴きやすいものになったと思います。以下に、どんな機材を使ったのかをリストアップします(「私の録音機材列伝」特別編?)。 ・マイク:TONE CRAFT 2120×2 ・マイクアンプ:MUSIC DESIGN ベクトル合成マイクアンプ ・レコーダー:TASCAM CD-RW700 ・編集ソフト:Steinberg WaveLab Lite Ver.2.5 ・VSTプラグインソフト:   リバーブ:PSP PianoVerb   EQ:slim slow slider LinearPhaseGraphicEQ 2   コンプ・リミッター:slim slow slider C3 Multi Band Compressor   ステレオ・エンハンサー:Steinberg Stereo Wizard  長年付き合ってきたDATレコーダーとやっと決別して、初めてCDRで録音しましたが、TASCAM の優れた24bit A/Dコンバーターのおかげか、マスターテイクの音質が今までより改善しました。  ギターソロの2トラック録音である限り、編集ソフトには、他の音楽ソフトを買うとオマケに付いてくるようなものでも十分使えます。プラグインソフト(編集ソフトに組み込む機能拡張用のソフト)は、だいたいフリーソフト。ピアノの響きをシミュレートしたリバーブを軽めに掛けただけで、なかなかいい空間を演出できたと思います。  slim slow slider のフリーソフトはどちらも高品質な上に便利で、実に使えます。EQは、マウスでなぞってグラフィカルに音域を補正できる優れもの。C3 Multi Band Compressor は、コンプレッサーでなくリミッターとして使い、『赤岩組曲』では意図的に出した過剰な圧迫感を避けました。  ステレオ・エンハンサーは、スタインバーグの「キューベーシス」のオマケに付いてきたソフトの流用ですが、これはステレオの分離を若干中央に収束させるために、逆にして使いました。これにより、ミキサーを経由することによる音の劣化を避けたつもりです。  あっ、気が付けばかなりマニアックな話題になってしまいました。音響機器に興味のない方は読み飛ばして下さい。 ======================================================= ■ 気になる音楽情報 (23) ★ ギターソロの新作三種  多くのギターファンはご承知かも知れませんが、今年は私ばかりでなく日本のいろんなギタリストが、相次いでギターソロCDを発表しています。まさにギターソロの「当たり年」です。前号でご紹介した南澤大介くんのCDもそのうちの一枚でした。数が多くてとても全てを紹介しきれないのですが、ここでその中から三枚ほど紹介いたします。  まずは日本のフィンガースタイル界の大御所、中川イサトさんの4年ぶりの最新作『Real Thing』(SEAL RECORDS SEAL-031、2005年)。80年代から続いてきた、ヘッジスなどの影響を受けた特殊奏法を全面に出したギタースタイルから一転して、昔のイサトさんのやさしく歌うような音が帰ってきた印象を持ちました。しかし単なる原点回帰ではなく、そこよりさらに一音一音を吟味して音の空間をコントロールした、精神的にもより深いサウンドです。特に盟友であった故・高田渡さんに捧げられた曲は切なく、人生の無常を感じる曲でした。  このアルバムは、イサトさんが長年の努力を経てついに到達した境地、そして音楽家としての高い領域を示す傑作だと思います。 http://www002.upp.so-net.ne.jp/n-1310/  次は、新進気鋭のギタリスト・荒谷みつるくんのセカンド・アルバム『NATURA' 2』(Studio migmig MGCD-0002、2005年)。前作はいぶし銀の光を放つ好アルバムでしたが、今回も彼独特のスタイルにさらに磨きが掛かり、オーソドックスでありながら心憎いほどクールなギター音楽を全編に渡って楽しめます。すでに世界レベルの素晴らしい演奏だと思います。Studio migmig の監修による高音質なギター録音という、純オーディオ的側面からも注目の一枚。  通常のCDとは別にSACD盤もあり。 http://www7.ocn.ne.jp/~migmig/  最後にご紹介するのは、現時点ではまだ私の手元に届いていないCDで、私の長年の友人・一 卓嗣くんの待望のギターソロCD『Blanc(ブラン)』(2005年)。6曲入りのミニアルバムで、リンクページで試聴もできます。ウィル・アッカーマンやジョン・フェイヒイのような印象派的なギタースタイルで、アルペジオによる清涼なメロディーは絶品。オムニバス盤『Acoustic Guitar / Solo』(1997)での名演を記憶されている方も多いでしょう。  私は彼にCDを作るように勧め続けて早十数年、やっと念願が叶いました。全てのギターファンにお勧めです。 http://www4.ocn.ne.jp/~tak-h/blanc.htm ======================================================= ■ 好きなアルバム (24)  私の好きなアルバムを幅広くご紹介したいと思います。 ◎ スイ・スイ/ありまりあ (KONPEIカムパニー KON-019、1992年) A面:1. ありまりあ / 2. オ イナ ニ ケケ / 3. いかだこぎ / 4. ぼんやりおやすみ / 5. おまけ(元町ファンタジー) B面:1. カフリーニョ / 2. きんぴらの朝 / 3. 噴火湾沿の道 / 4. ニナ ポポ / 5. おまけ(ぼうがいっぽん)  何と13年前のカセット・アルバム。  いつもご紹介している札幌のカレー店「ジャック・イン・ザ・ボックス」は、ダルシマー・バンドの HARD TO FIND の本拠地ですが、この界隈には昔から気心の知れたミュージシャン仲間が集まり、HARD TO FIND のメンバーを軸に多種多様な音楽集団が生まれていました。彼らが作った自主レーベルが「KONPEIカムパニー」です。  ここにご紹介するカセット・アルバムは、その中の一人・ありまりあさんの歌を小松崎健さん、福井岳郎さん、ありまじろうさんなどがサポートした、KONPEIカムパニーの自主制作カセット時代の名盤です。  多くの曲でインドネシアの大衆音楽「クロンチョン」が日本語の歌詞で歌われていて、他にはあまり例のないユニークなアルバム。ゆったりと楽しめます。ご年輩の方にはわかる名曲「ブンガワン・ソロ」は「噴火湾沿の道」という実に北海道のローカルな歌詞で歌われていて、歌詞の素晴らしさも聞き所の一つ。一曲目の「ありまりあ」(原タイトル不明)は、なぜかキューバの作曲家エルネスト・レクオーナの作で、これがまたいい曲です。  このアルバムは、今年中にCDRで再発とのことです。 ======================================================= ■ 音楽と全く関係ない話題(21)  またまた思い切り音楽に関係した話題。といっても、媒体に関しての話です。  CDや流行の携帯音楽ツールなど、今の主な音楽媒体は全てデジタル記録なのですが、私は最近カセットテープやLPレコードの良さを再認識しています。  きっかけはDATデッキの故障。ネットの記事を参考に、見よう見まねで分解掃除したりしてるうちに、使っていなかったカセットデッキのふたもついでに開けてみると、なかなか美しいメカニック。手入れをしてちょっと聴いてみたところ、何とも言えない音の良さに感動しました。  CDでは高音の限界までハッキリと分離よく鳴るのですが、逆に空気感というか、よい意味での音のにじみ感がなくなってしまい、そのため鳴り方が直接的できつく感じることがあります(CDマスタリングはある意味「ローファイ化」に似た作業かも)。その点、例えばLPレコードを録音したカセットを聴くと、クリアな感じがCDより落ちるというデメリットが問題にならないくらい、ほんわかとした音の包容力が耳に心地よいのです。特にベースやピーク時の鳴り方が丸く、いつまでも疲れずにじっくり聴くことが出来ます。  デジタル音源をこのレベルと同じくらいに心地よく鳴らすには、おそらく単体のDAコンバーターが必要となるでしょう。それなのに、携帯端末は小さくなる一方。逆に音信号をさらに圧縮してたくさんの曲を詰め込むので、アナログオーディオ的にはますます退化しています。私たちの耳は、メーカーの巧みな技術でだまされ続けているのではないでしょうか。  ポータブルカセットやレコードプレイヤーを持っていない、または手放してしまった人は多いと思いますが、早まってはいけません。まだそれらがあるうちに、だまされたと思って再び体験してみて下さい。 ======================================================= ■ 11月本州ツアー直前!  恒例の秋〜冬の本州ツアー、今回は11月(名古屋以西)と12月(関東中心)の二本立てです。今号では前号と同じく11月の予定について詳しい情報をお伝えいたします(11/7のみ新規追加)。長くてすみません。  皆様のお越しをお待ちしております。 http://www.geocities.jp/otarunay/yotei.html ★11月4日(金) 開場19:00/開演19:30  札幌・らぐたいむ  【出演】浜田 隆史/野田 悟朗(ギター)  【料金】投げ銭(ドリンク別)  【問合先】tel : 011-551-1260(らぐたいむ) ★11月5日(土) 開場19:00/開演20:00  札幌・ファニー  【出演】浜田 隆史/野田 悟朗(ギター)  【料金】2,000円(チャージ込み、ドリンク別)  【問合先】TEL&FAX 011-552-0477(ファニー) ★11月6日(日) 開場18:30/開演19:00  小樽・一匹長屋  【出演】浜田 隆史/野田 悟朗(ギター)  【料金】投げ銭(ドリンク別)  【問合先】tel : 0134-32-4049(一匹長屋) ★11月7日(月) 21:00以降より  舞鶴市七条八島角 Mchステーション内  【出演】浜田 隆史/野田 悟朗(ギター)  【問合先】tel : 0773-60-4038(Mch) ★11月8日(火) 開場18:30/開演19:30  名古屋・ ウエスト・ダーツ・クラブ  【出演】浜田 隆史/野田 悟朗(ギター)  【料金】前売2,000円、当日2,500円(ドリンク別)  【問合先】tel: 052-779-0186(WEST DARTS CLUB) ★11月9日(水) 開演19:00  大阪・ STUDIO 73  【出演】浜田 隆史/野田 悟朗(ギター)  【料金】前売2,000円、当日2,500円  【問合先】tel: 0726-84-1539(井上楽器) ★11月10日(木) 開場19:30/開演20:00  倉敷・ Cookie Jar  【出演】浜田 隆史/masaki μ(ギター)  【料金】前売2,000円、当日2,300円(1ドリンク付き)  【問合先】tel: 086-430-3173(12:00〜18:00)         086-425-9901(18:00〜23:00) ★11月11日(金) 開場18:30/開演19:30  広島・ OTIS!  【出演】浜田 隆史/ウパシクマ[佐伯雅啓 ギター・唄、その他/居森やよ美、ジャンベ、唄、その他]  【料金】前売2,500円、当日2,800円(1ドリンク付き)  【問合先】tel: 082-249-3885(OTIS!) ★11月12日(土) 開場18:30/開演19:00  北九州・フォークビレッジ  【出演】浜田 隆史/若菜 潤一郎(ギター)  【料金】前売2,000円、当日2,500円(ドリンク別)  【問合先】tel: 093-511-2115(フォークビレッジ) ★11月13日(日) 開演19:00  福岡・ライブバーGENGEN  【出演】浜田 隆史/KAYA(ギター)  【料金】2,000円(ドリンク別)  【問合先】tel: 092-762-8220(GENGEN) ★11月14日(月) 21:00〜 公開演奏  福岡・そらや  【出演】浜田 隆史  【料金】投げ銭(ドリンク別)  【問合先】tel : 092-531-3991(そらや) ★11月16日(水) 開演19:30  熊本・ヌアージュ  【出演】浜田 隆史/なゆた(ギター)  【料金】1,500円(ドリンク別)  【問合先】tel: 096-355-6261(ヌアージュ)  ではまた! ======================================================= 発行者:浜田隆史 〒047-0021 小樽市入船2-12-5 tel & fax : 0134-24-9620 e-mail:otarunay@yahoo.co.jp 「オタルナイ・レコードのホームページ」 http://www.geocities.jp/otarunay/ =======================================================