< カセット > (廃盤含む)
「私の小樽」を除いて、すべてアコースティック・ギター・ソロ。
★ 最後のペンギン ( The Last Penguin ) (番号なし) (1986)[廃盤]→CDRとして再発 Tweet
A面:1.最後のペンギン/2.贅沢ラグ/3.オーパス港町/4.小桑/5.コレンタ(by Galilei) *一部の版で「Garilei」としていたのは誤植でした。すみませんが訂正いたします。/6.びしょ濡れ道路#2/7.ワン・ステップ
B面:1.デジタル・ディレイ・ラグ/2.夢を追って(by 南澤 大介)/3.マイナー・チューン/4.銀河の間違い/5.アイスコーヒーもう一杯ラグ/6.プア・ボーイ・ブギ#2/7.中古品の夢
大学卒業記念として製作した、初のギター・ソロ作品です。未だに「これが一番良かった」と言って(逆に、最近の私のプレイを良くないと言って)くれる友人もいます(それはそれで悲しい)。まだ、明らかに過去のギタリストの作品を焼き直したような部分がありますが、所々に独創的な部分もあります。特に、ギターによるクラシック・ラグを念頭に置いて書いた「デジタル・ディレイ・ラグ」は、現在に至るまで私の代表作であり、「最後のペンギン」とともに後に再録音しました。また、「ワン・ステップ」と「プア・ボーイ・ブギ#2」では珍しくリズムマシンを伴奏に使っています。南澤氏の「夢を追って(Mary's Journey)」は、素朴でいい曲です。
★ ラグタイム・シサム ( Ragtime Sisam ) (番号なし) (1988)[廃盤]→CDRとして再発 Tweet
A面:1.リフレクション・ラグ(オルゴール)/2.ビギナーズ・ラック・ラグ/3.ジンギスカン・ラグ/4.オタモイ・ラグ/5.狐の家/6.狐の家(オルゴール)/7.ハンバーグ・ランチ・ラグ
B面:1.ラグタイム・シサム(オルゴール)/2.ワッカ・トゥイトゥイ/3.ラグタイム・シサム/4.急げ小田急ラグ/5.オタルナイ・ラグ/6.飛行船ラグ
会社員生活の合間を縫って製作された、自主制作カセット第2弾。前作の「デジタル・ディレイ・ラグ」の成功に気をよくしていて、当初から「ギターによるクラシック・ラグ」によるアルバム製作を決めていました。内容はほとんどが3〜4部形式のラグタイムで、音楽的に密度が濃く、私にとっては名曲揃いです。ただしその分バリエーションが少なくなったのか、前作ほどに評判は良くなかったと記憶しています。オルゴールは、型紙をパンチする方式のもの(小さなピアノロールといえる)を使って、数小節だけ鳴らしました。「オタモイ・ラグ」「ハンバーグ・ランチ・ラグ」「オタルナイ・ラグ」は、後に再録音しました。蛇足ですが、シサム(sisam)はアイヌ語で和人のことです。アイヌ語を知らない人からのお手紙に「ラグタイム・ムサシ下さい」と書いていたことがありました。違うって!
★ 猫座のラグタイマー ( Ragtimer, The Cat Star) [OTR-002] (1989)[廃盤]→カップリングCDとして再発 Tweet
A面:1.ホロケウノチウ/2.ルプンペ(by 南澤 & 浜田)/3.前奏曲/4.猫座のラグタイマー/5.チクサクル/6.エルムンプ/7.クンネチュプ/8.ヤシャノカノチウ(by 南澤 & 浜田)
B面:1.前沢君来たる!/2.ギター・カムイのテーマ/3.春風(しゅんぷう)ラグ/4.国道5号線の思い出/5.フリーランス・ラグ/6.風猫/7.潮音頭(by 春川 一夫)
自主制作カセット第3弾。実はこの前に、MIDIピアノによる『 Ragtime Treasures by Joseph F. Lamb 』[OTR-001] (1989)を作っていますが、現在は廃盤。『猫座のラグタイマー』は、私の自主制作カセット時代の代表作であり、アルバムとしてもっとも完成度が高いものです。このアルバムからDATを導入したために、音質的にも以前より向上しています。A面はいわゆる組曲風になっています。「アイヌの星」という本から得た、星座のモチーフによるギターソロです。軸になる「猫座のラグタイマー」はむしろ浮いていて、私のギタースタイルとしては新しい、ウィンダムヒルにも影響を受けた叙情的アルペジオによる作品が基調となりました。「ヤシャノカノチウ」では、友人の南澤大介氏がキーボードを弾いています。一転してB面は、レオ・コッケや友人のギタリスト前沢勝典氏の影響を受けたアグレッシブな風味を加え、全体として今までのラグタイム・ギター・スタイルを越える仕上がりとなりました。なお、「春風(しゅんぷう)ラグ」は、私のラグの中でももっとも演奏が難しく、音楽的に高度です。「フリーランス・ラグ」は、後に再録音しました。
★ 月影行進曲 ( Moon Shadow March ) [OTR-003] (1990)[廃盤]→カップリングCDとして再発 Tweet
A面:1.春風(しゅんぷう)舞曲/2.小台風/3.浦和慕情/4.幸せの歌#1/5.幸せの歌#2/6.トンコリの歌/7.プア・ボーイ・ブギ#3
B面:1.月影行進曲/2.ゴキブリ疾走曲/3.ラグタイム・ミーティング/4.練習曲/5.リトル・ウォーバシュ・スペシャル(by Tom Shea)/6.海猫飛翔曲
自主制作カセット第4弾。当時は、フィンガースタイルギターの巨匠、レオ・コッケにかなり感化されており、その結果このギター・ソロ・カセットは、『猫座』のB面的雰囲気をより推し進めたものになりました。全体的にかなりラフで、勢いのある作品が続きます。ただし今思えば少々空回り気味で、自分の評価としては『猫座』の後陣に甘んじている作品です。それでも、完成度の高い「幸せの歌」、ユーモラスな「ゴキブリ疾走曲」など聞き所も多いです。「トンコリの歌」は、ギター・ソロではなくアイヌの5弦楽器トンコリの独奏。「プア・ボーイ・ブギ」は、『最後のペンギン』の同名曲の続編的ブギ・ナンバー。また、注目すべきは、「リトル・ウォーバシュ・スペシャル」というモダン・ラグタイム曲を編曲するために、「ヘンタイ・チューニング」を編み出し「春風舞曲」に応用していることです。このチューニングはその後、「新レギュラー・チューニング」と言ってもいいくらいよく使っていて(というより最近はレギュラーではあまり弾いていない)、現在に至る私のギタースタイル変遷の原点ともいえます。なお、OTR-004にあたるアルバムは、MIDIピアノによる自作自演ラグを収めたミニカセット『赤岩の夕焼け』(1990)です。
★ 歌棄の歌 ( Song For Utasutu ) [OTR-006] (1994)¥800(税込) 注文する時はここをクリック Tweet
A面:1.海賊/2.夏のフォックストロット/3.自転車の歌(by John Renbourn)/4.練習曲
B面:1.水平線/2.歌棄の歌/3.最後のペンギン * 1分間のデモ。/4.急げ小田急ラグ
このミニカセットは、当時よく通っていた(世界最小?)ライブハウス、両国フォークロアセンターのために作られました。センターに集まるアーティストの紹介を目的にしたカセットで、他には斎藤光始氏らも同様のカセットを作っていました。急遽作成したことと、「あまり長くしないで」というマスターからの要請もあって、かなりいい加減なものになりました。「練習曲」は『月影』の再収録。「急げ小田急ラグ」はライブバージョン(これは好評だったので、録音の悪かった『ラグタイム・シサム』のオリジナル版をこれに差し替えました)。そして「最後のペンギン」は再録音です。ここでのオリジナル曲「海賊」「夏のフォックストロット」「歌棄の歌」「水平線」は、元々は海をテーマとした次回作『海猫飛翔曲』用の曲として書きためていたものだったので、曲自体は良いと思います。後に、「歌棄の歌」だけが再録音されます。これはまさに「海賊」版的作品と言えるでしょう。
★ 浜田隆史ギター作品集1 ( Acoustic Guitar Solo Pieces By Hamada Takasi (1986-1995) ) [OTR-008] (1997)¥1,000(税込)[廃盤] Tweet
A面:1.最後のペンギン/2.デジタル・ディレイ・ラグ/3.オタモイ・ラグ/4.ハンバーグ・ランチ・ラグ/5.急げ小田急ラグ/6.猫座のラグタイマー/7.ホロケウノチウ/8.幸せの歌#1
B面:1.三本足/2.美国(びくに)ラグ/3.張碓(はりうす)/4.レインボー・チェイサー・ラグ/5.レオズ・ラグ/6.水平線/7.海賊/8.フリーランス・ラグ
同名のタブ・楽譜集に準拠したカセット。これとCD『海猫飛翔曲』があれば、楽譜集に掲載されたすべての作品が網羅できます。本来は、こういうカセットを出す予定はなかったのですが、販売店さんから「音があった方がいい」と言われ、急遽作成しました。私のベスト盤としても楽しめるでしょう。「レインボー・チェイサー・ラグ」は、ここでしか聴けません。残念ながら、楽譜の在庫切れに伴い、廃盤といたします。
★ 私の小樽 [OTR-010] (1998)[廃盤]→CD−Rとして再版 Tweet
A面:フェリー/はげまし希望/私の小樽/札幌の歌/ラグタイムの歌/忘れません/お日様待ってます
B面:パイカラ アン コロ/草花の歌/ギター残酷物語/風の強い日/赤岩/夢和(ゆめかず)に捧げる曲(ギター・ソロ)/サイクラー
記念すべきオタルナイレコード10作目で、『海猫飛翔曲』以来3年ぶりであるオリジナル新作は、何とギターによる弾き語り集。初めて歌ものにチャレンジした珍品。しかし、すべてオリジナル作のフル・アルバムです。ハードディスク・レコーダーを導入して、何とかギターファンだけでなく一般の人にもアピールできるように苦心しました。伴奏のギタースタイルも、普通のチューニングとヘンタイ・チューニングを半々くらいにして、バリエーションを持たせました。
歌詞は、最近の流行歌の「歯の浮くような恥ずかしいセリフ」「日本語イントネーション崩壊しまくり」にはらわたが煮えくり返る思いがしていたので、細心の注意をもって、今の自分にしか書けない歌詞になるようにしました。「パイカラ アン コロ」はアイヌ語の歌詞で、アクセントを壊さずにいかにリズムにのせるかを例示した自信作。しかし、本人の意気込みに歌唱力が伴っていないのが惜しい。ギター・ソロは一曲だけで、案の定、がちがちのギターファンからは敬遠されているようです。ジャケット写真は、小樽運河のプロ写真家・毛利祐次郎氏のもので、このすてきなジャケットにつられて買ってしまう観光客さんが多い...。