ライブ日記 2013 2月 ダコタ・デイヴ・ハル来日ツアー (2013年2月17日更新) NEW!!

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 目 次

はじめに

2月1日(金)東京・水道橋 ふらっとんTIMES(Dakota Dave Hull/打田十紀夫/浜田隆史)
2月2日(土)名古屋 源(Dakota Dave Hull/浜田隆史/OA:つるみまさや)
2月3日(日)大阪 オッピドム(Dakota Dave Hull/浜田隆史)
2月4日(月)京都で観光
2月5日(火)札幌 時計台ホール(EZO音楽祭初日に参加)
2月6日(水)札幌 LOG(Dakota Dave Hull/浜田隆史)
2月7日(木)ダコタさんをお見送り

 

◎ はじめに


 [写真:ダコタさんの愛器・フェアバンクス。]
古き良きアメリカ音楽の達人、ギタリストのダコタ・デイヴ・ハル。

2013年2月1〜6日にかけて行われたツアー、大盛況のうちに終了しました。
どうもありがとうございました!

この日記は、mixiやFacebookで公開した日記を再構成したものです。

 

★ 2月1日(金)東京・水道橋 ふらっとんTIMES(Dakota Dave Hull/打田十紀夫/浜田隆史)

新千歳空港から羽田空港に着くと、あまりの暖かさにちょっとビックリしました。

さて、事前情報として、ダコタさんが先週日曜にタイで交通事故のため足に擦り傷を負ったことがわかっていました。
移動に無理はさせられません。
途中、JR車内の広告で新幹線の格安チケット「ぷらっとこだま」(通常10070円のところ、1ドリンク付きで7900円)の事を知りました。
私は普段なら絶対乗らない新幹線ですが、ダコタさんのために少しでも安いチケットを用意しなければなりません。

上野のみどりの窓口で訊いてみると、明日のチケットならJR東海ツアーズの支店に行かないと取れないらしいのです。
(ネット予約では郵送の手間がかかるので間に合わない)
また、その支店がこの近くだと東京駅にしかないとのこと。
そのため、上野からわざわざ東京駅に舞い戻って支店まで行って、やっとゲットしました(^_^;)。


 [写真:再会を果たした私とダコタ・デイヴ・ハルさん。]
そして、前回と同じく、東京の安ホテルでダコタさんと再会!

一足お先に泊まっていたダコタさん、ロビーで新しいフェアバンクスのギターを弾いてました。足の傷も何とか普通に歩けるくらい良くなって来たようで、とりあえず一安心でした。


 [写真:リハ中のダコタさん。]
タイで作ってもらったという素晴らしいギターケースを持って、初日の会場である水道橋の「ふらっとんTimes」へ向かうと、すでに打田十紀夫さんご夫妻が待っていました! アメリカのNAMMショーから戻ってきてまもなくということで、軽い時差ボケと言ってました。お忙しい中ご協力いただき、本当にありがとうございました!

会場はありがたいことに満員、素晴らしい盛り上がりで、感謝感激でした(^-^)/


 [写真:打田十紀夫さんのソロ演奏!]
最初は私(浜田)のソロ演奏。いつもツアー初日はあたふたするものですが、準備時間が少ないとかえって集中できたみたいで、いい演奏ができたと思います。

次は打田十紀夫さんのソロ。いつもながらの楽しいステージに惚れ惚れします。昨年発表された新作「猫とドラゴン」からの曲が、また新鮮で興味深かったです!


 [写真:ダコタ・デイヴ・ハル、圧巻のラグタイム・ギター。]
そしていよいよ、ダコタさんの登場。

様々なアメリカ音楽に精通しているダコタさんのギター演奏は、力強く、落ち着いていて、そして本物だけが持つ自然な豊かさを感じさせました。

オリジナルのクラシック・ラグも、「ウェイフェアリング・ストレンジャー」のような伝統曲も、実に味わい深く、深く楽しめるものでした。


 [写真:左から私(浜田)、打田さん、ダコタさん。書かなくてもイイね(笑)]
最後に打田さんと私が加わって、光栄にもセッションタイムを楽しませてもらいました。昨年もそうでしたが、ダコタさんとセッションするギタリストはみんなこう考えると思います。「他のギタリストの皆さん、ゴメンナサイm(_ _)m」。一緒に弾くのがあまりに楽しくて、ついそう思ってしまうのです。

終演後は、ダコタさんの新作楽譜・TAB譜集(CD付き)がよく売れていました(^-^)/

打田さんご夫妻との打ち上げも楽しく、こうして初日のライブは大成功のうちに終了したのでした!

 

★ 2月2日(土)名古屋 源(Dakota Dave Hull/浜田隆史/OA:つるみまさや)

この日、ダコタさんが初めて東京を離れて、ついに名古屋「源」でのライブが行われます。
東京を出発する直前、やはり安宿の隣にある「カフェバッハ」で、エスプレッソを味わうダコタさん。
相変わらず、朝食はコーヒーみたいです。


 [写真:移動中のダコタさん。今回、ギターは一本なのです。]
前述の通り、東京・名古屋間の移動は、私一人であればいつもは高速バスを使うのですが、足が万全でないダコタさんとの移動なので、新幹線の格安チケットで、スムーズに名古屋に向かいました。

しかし、名古屋での宿泊は、いつもの激安宿。あまりの狭さに、目を丸くするダコタさん、どうもすみません(^_^;)。


 [写真:リハ中のつるみまさやくん。ギターはグレーベン。]
源では、山下さんつるみまさやくんとの語らいを楽しみつつ、あっという間に開演の時間となったのでした。

オープニングを引き受けてくれたつるみくん、相変わらず素晴らしくクールな演奏で、ダコタさんも「彼はいいギタリストだ!」と言ってました。

私は、前日より若干長めの時間を使い、ラグタイム中心の選曲で楽しく演奏しました。


 [写真:私とダコタさんのセッション。幸せの瞬間です。]
そして、ついにダコタさんの演奏。

至近距離で世界的ギタリストの演奏が見られる幸せ。源のお客様の反応がとても良く、手拍子が嬉しかったダコタさん、「You are good rhythm sections!」(多分)と感心していました!

ラグタイム、ブルース、ゴスペル、オールドタイムなど、アメリカ音楽の縮図とも言える古い音楽が、とても自由度の高い転調を交えて演奏されました。何度聴いても、ダコタさんのプレイは伝統的かつ独自の楽しさがあるのです。

そして、光栄にもダコタさんと私のセッションでお開きとなったのでした。


 [写真:源に集った皆さんとの記念写真。]
終演後は恒例の打ち上げ(^o^)/

ダコタさんは飲めないので、お水でカンパイでしたが、英語を交えたみんなとの語らいがまた面白かったです!

つるみくんに、私の英語が片言だと看破されてしまいました(^_^;)。「浜田さんの英語、分かりやすいですね〜」だって。きい〜(笑)。

お越しいただいた皆さん、源の山下さん、つるみくん、本当にありがとうございました!

 

★ 2月3日(日)大阪 オッピドム(Dakota Dave Hull/浜田隆史)

名古屋から近鉄アーバンライナーで大阪へ。
ほとんどノンストップの快適さで、車内でウトウトしてしまいました。

そしてお泊まりは、またも格安ホテル。
多少サービスがイマイチなので、ダコタさんにはPlease be patient(どうか我慢して)いただきました(^_^;)。
たとえば、ベッドが安物で、ダコタさんの巨体では中央が落ち込んでしまうらしく、
毛布を追加で借りて下に敷くことで、何とか快適性を確保しました。


 [写真:リハ中のダコタさん。なんかイイ雰囲気。]
大阪での会場は、私にとっても初めての「オッピドム」にお世話になりました。

とても和める素敵なお店。
アメリカ経験豊富なマスターをはじめ、ここに集ったお客さまの英語対応力はピカイチで、私はちょっと肩の荷が下りた気持ちでした。


 [写真:濃い面々が集った、オッピドム店内。みんな、ありがとう〜!]
ギタリストのザビエル大村さんやYouseiくん、マンドリン奏者の安東昌郎さん、そしてダコタさんの昔のマニアックなLPをお持ちの方も複数お越しいただきました。

大阪のアコースティック愛好家の幅の広さを改めて見せられました。


 [写真:いつもより多少長めに、ダコタさんのギターを堪能しました!]
この日は他のゲストのないライブで、私も十分な持ち時間をいただき、ツアーで初めて演奏した「台湾からの手紙」など、気持ちよく演奏しました。

ダコタさんの演奏も、コアなファンに囲まれたせいもあったのか、コアな選曲で、そのいぶし銀の魅力を十二分に発揮していました。


 [写真:この集合写真は、歴史的傑作として後世に残るでしょう!]
CD、楽譜も飛ぶように売れ、売り子の私もてんてこ舞いでした。
改めて、お世話になった皆さんに感謝したいと思います!

東京・名古屋・大阪と続いた三連続ライブがこの日終了し、ハードワークを乗り越えたのでした。

後日、同じラグタイム好きのギタリストとして意気投合したザビエルさんとダコタさんはFacebookでもお友達になり(もちろん私も以前からお友達)、次回の公演での共演を約束したのでした。私もその日を心待ちにしています!

 

★ 2月4日(月)京都で観光


 [写真:ビリケン様に足が良くなるように祈願。]
ツアーでは健康が第一という事は、私も骨味に染みています。この日は唯一のオフ日なので、万全を期すために、ダコタさんと最寄の病院に行って傷を診ていただきました。

英語ができる先生ということで行ってみたら、全くヒドイ片言英語だったのがおかしかったです。
そして、一目見るなり、大事無いという言葉で安心。そして、このまま診察するよりも、薬を薬局で買った方が安上がりだということを教えていただきました。

この病院の先生のご厚意は、ダコタさんもしきりに感心していました。まるで、寅さんのような人情映画の一場面みたいでした。


 [写真:串カツにチャレンジするダコタさん。]
包帯や薬を揃えて安心したところで、足の具合も昨日よりいいとのことで、まず大阪のプチ観光。

といっても、泊っている動物園前付近の新世界あたりを少し散歩しただけですが、串カツにトライしたり(ちゃんと二度漬け禁止を理解してくれました)、歴史の古い喫茶店に入ったり、それなりに楽しんでもらえたようです。



 [写真:ダコタさん、清水寺を観光(ちょっと寒かったけど)!]
思い切って当初の予定通り、京都まで観光旅行に出かけました。

と言っても、時間も脚力もないこの状況で、清水寺一箇所を見て回るのが精一杯でした(三十三間堂は開館時間に間に合いませんでした)。

しかし、ダコタさんはほとんど普通の観光客のように、京都を代表する風光明媚な景色を楽しんでくれたのでした。

私は、2006年のDavid Thomas Robertsさんを同じように案内した時のことを思い出して、感慨無量でした。ダコタさんもデヴィッドさんと同じくとても気さくな紳士で、この私の拙い観光案内にとても感謝してくれて、こちらの方こそ恐縮でした(^_^;)。


 [写真:実は意外と小食なダコタさん。これで満腹でした。]
大阪でお好み焼きを食べるという、兼ねてからの希望もこなし、言うことなし。これにて観光の一日が無事終了したのでした。

(明日からの北海道行きに備えて、この日は早めに寝たのです)。

 

★ 2月5日(火)札幌 時計台ホール(EZO音楽祭初日に参加)


 [写真:いよいよ北海道へ向かうダコタさん。]
この日は、大阪の安ホテルをチェックアウトして、関西空港へ。

ダコタさんの荷物は大きくて重いので、超過料金を取られないかどうか心配でしたが、いろいろ工夫して何とか枠内で収まるようにできました。

JALのシートは、足の悪いダコタさんのために、クラスJ(シートがゆったりしていて大きい)にしておいて正解でした。
なにせ、雪まつりシーズンは、札幌の最も賑わう観光シーズンですから、北海道に向かう飛行機は超満員でしたから、たった1000円の追加で安心を買ったようなものでした。

新幹線もそうでしたが、私にとっても、ぜいたくさせていただける貴重な機会でした。


 [写真:時計台ホールでリハ中のダコタさん。音良し!]
ついに新千歳空港に到着!
ダコタさんの故郷・アメリカのミネソタ州も北海道と同じくらい寒いそうで、とても親近感があると言っていました。

公共交通機関を乗り継いで、何とかホテルに到着したのもつかの間、すぐにリハーサルのため時計台ホールに向かいました。

足のコンディションがよくない中、無理をさせてしまいましたが、時計台ホールの素晴らしい会場と、お越しいただいたたくさんの人たちを見て、その苦労が報われた気分なのでした。


 [写真:EZO音楽祭初日。たくさんのお客様にお越しいただきました。]
EZO音楽祭は、雪まつりのシーズンに合わせて、時計台ホールにて数日間行われるオムニバス・ライブ。2008年から続く歴史があり、フォークシンガーの浅井のぶさんの企画により、道内外の素晴らしいミュージシャンが出演します。

私も2008〜2010年に出演させていただきましたが、せっかくの機会なので、ダコタさんにもご参加いただけるように働きかけをして、この話が実現したのでした。

私たちも含めて4組の出演者の演奏。いずれの参加者の音楽もとても良くて、私も感激でした。


 [写真:終演後、時計台前で記念撮影するダコタさん。]
時間がかなり押していたようでしたので、私は自分のソロ演奏を一曲だけにして、あとはダコタさんの通訳と宣伝広報に務めました(最後に一曲だけセッションしました)。しかし、結果的にとても楽しいステージになったと思います。

札幌の大勢の音楽ファンに、まさに札幌を象徴する場所で、ダコタさんの素晴らしいギター音楽をご紹介できて、私も大きな仕事を成し遂げたような、光栄な気持ちになりました。

運悪く風邪をひいて来られなくなってしまった浅井のぶさんとダコタさんをお会いさせることができなくて、本当にそれだけがすごく残念でした。

 

★ 2月6日(水)札幌 LOG(Dakota Dave Hull/浜田隆史)

この日は、私とダコタさんのライブ最終日が札幌・LOGで行われました。


 [写真:ESTAのレストラン街で昼食。]
札幌のホテルに二連泊しているダコタさん。私は小樽からお昼頃到着して、一緒に昼食タイム。

ダコタさんの足が万全なら、せっかくの雪まつり期間、いろいろご案内できたのですが、それも不可能で、ESTAの家電量販店でのお買い物を楽しむので精一杯でした。

それでも、ダコタさんにとっては見るもの全てが珍しいようで、それなりに満足していただけて良かったです。


 [写真:LOGでのダコタさんのプレイ、実に渋かった!]
札幌の老舗ライブハウス・LOGでのライブ、やはりツアー最終日で、私は今回のいろんな想い出に浸りながら、感慨深い演奏になったのでした。

ダコタさんも、今まで演奏していなかった曲を繰り出すなど、最後まで乗りに乗った正統派のアメリカン・ギターを楽しませてくれたのでした。


 [写真:左から私、ギタリストの高泉幸太郎くん、そしてダコタさん。]

お客様も、旭川の亀野さんはじめ、本当にギターが好きなコア〜な面々が揃い、終演後もしばし楽しい語らいになったのでした。
本当にどうもありがとうございました。

 

★ 2月7日(木)ダコタさんをお見送り

62才とツアーミュージシャンとしては高齢、しかも遠い国からわざわざ来てくれた旅行者で、
おまけに交通事故で足を怪我していたダコタさん。
今回のツアーでは、移動するたびに車の必要性を痛感しました。
(タクシー代だけで2万円くらい行ったかも)。

今だから言いますが、駅でのちょっとした長い乗り換えも、ダコタさんは少し辛そうでした。
私は難儀しているダコタさんを笑って励ましながら、心の中では泣いていました。
他ならぬ私が自分で車が運転できたらどんなに良かったか、我が身の力の無さに歯ぎしりするとともに、
ダコタさんには本当に申し訳なく思いました。


 [写真:新千歳空港から東京へ旅立つダコタさん。]
この日、新千歳空港から東京へ向かうダコタさんを見送って、私の役目も何とか無事終了しました。

改めまして、ライブにお越しいただいた皆さん、関係者の方々に、心から感謝したいと思います。

なお、ダコタさんはこの後、急遽決まった両国フォークロアセンターでのソロライブ(ウェルカムパーティー)を行って、数日後に再びタイに向かったのでした。

また次回、このようなツアー企画が実現する際には、もっともっと充実したツアーが組めるように私も努力したいと思います。
どうぞよろしくお願いします!

(完)

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