目 次
1.1月28日(土) 横浜 馬車道・北仲WHITE(with 南澤大介、Sketch)
2.1月29日(日) 東京 国分寺・クラスタ(with 一卓嗣)
3.1月30日(月) 東京 新橋・レッドペッパー(with 一卓嗣、小川倫生)
4.1月31日(火) 休息日
5.2月1日(水) 横浜・ぐりふぉれ屋(with 一卓嗣)
6.2月2日(木) 名古屋・Jazz 40/30(with 川合ケン)
7.2月3日(金) 休息日
8.2月4日(土) 大阪 岡町・あーとらんど PIA NEW!!
9.2月5日(日) 小樽へ帰還 NEW!!
2006年最初のツアーは、2002年以来久しぶりとなる「真冬」の本州ツアーになりました。ここ数年は年に二回のペースで本州ツアーを行っていたのですが、今回は友人のギタリスト・一卓嗣くんが、長年暮らしていた千葉から故郷の熊本に帰るということで、それに合わせて彼とのジョイント・ライブ・シリーズを中心に組みました。その結果、前回の昨年12月の本州ツアーから1ヶ月あまりの期間でまた本州に出てきてしまいました。
今年の冬は皆さんご承知の通り、早い段階から全国的にかなり寒く、また私の前回のツアーと時期的に間があかず、その意味では厳しいツアーになるだろうということは、私も覚悟の上でした。しかし、決して短くないつきあいである一くんとの友情に応えたい、さらに何よりも雪なんかに負けるか、寒さに負けるものかという意地を、こういう時期だからこそ見せたいと思ったのです。
さて、この「雪に負けるなツアー」(別名「極寒ツアー」)、レポートの始まりです!−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
まずは、いつも貧乏たらしい話題を振りまいている交通手段の話ですが、今回は人並みに飛行機での状況となりました。ちょうど良いフェリーが都合悪く運休だったり、またはどう工面しても時間的に合わないことがわかり、苦渋の決断だったのですが、これは「たまには楽して来いよ」という神様の思し召しだったのかも知れません。実は「超割」期間中だったので、最初から飛行機にしておけばもっと安上がりに来られたのですが。
しかし、同じ航空チケットでもエアドゥには「道民割引」というものがあり、それとチケットレス割引を併用すれば、出発が差し迫っていても、定価よりかなり安く手に入れることができます。
ただ、これには「道民カード」(1000円)の発行が必要になります。私が道民であることは住民票や運転免許証などでも一目瞭然なのですが、どういう訳かこのカードがないと割引を受けられません。しかたないので空港のカウンターで作っていただきましたが、う〜、これは納得いかない。改善の余地ありだと思います...いえ、決して1000円が惜しくて言っているのではなく、私が道民であることを証明するために特別なカードを発行するのは、道の財政を助けること以外、意味はないのではないか、ということを私は言いたいのです。
ああ、やっぱり貧乏ネタになってしまいましたね。失礼しました。
1.1月28日(土) 横浜 馬車道・北仲WHITE(with 南澤大介、Sketch)
[写真:午前7時半頃の南小樽駅。どんよりしてます。]
[写真:同日午後1時頃の桜木町の風景。まさに別世界です。]飛行機は午前中の便なので、南小樽駅から早めの電車に乗ったつもりが、やはり遅れ気味になってしまい、少し焦りました。当日は特段吹雪いてもいなかったのですが、ちょっとした雪でも朝はすぐ遅れてしまうのです。 日の光が照らない冬の北海道から、飛行機で豪快に上京するのは久しぶり。着いたのは太陽の国に見えるくらい、からっと晴れ上がっていました。
後で聞くと、ちょうどこの日は比較的暖かい日だったとのことで、私は別天地で、いくら振り払っても降り積もる雪の悪夢をしばし忘れたのです。最初の場所は、ギタリスト仲間の Sketch さんが企画してくれた所で、将来取り壊されるという昭和初期のビルを使った貸しホール的なもの。
非常におしゃれで文化の香りを感じる建物の4階を借り切って、そこに南澤くんのお知り合いのPA担当の方なども交え、セッティングしていただきました。
[写真:浜田隆史。]私はジャンケンの結果トップバッターで出演。ジョン・レノンがプロモーション・ビデオの撮影に使っても良いくらい雰囲気満点の会場で、とてもいい気分で演奏させていただきました。 自分のデジカメで自分を撮っていただくのを忘れてしまい、左の写真は Sketch さんからいただきました。
今回は、脈略もなくKヤイリさんの皮ジャンで登場。ミュージシャン仲間から「浜田くん、普段着もいいけど、ステージ衣装着た方がいいよ」と言われていたので、ちょっとだけオシャレ(?)してみました。
[写真:南澤大介くん。そろそろ暗くなりはじめる時間。]二人目は南澤大介くん。昨年の「三人の匠」ライブの時より気合いの入った、素晴らしいパフォーマンスだったと思います。特にあまりMCを入れずになだれ込む名曲メドレーは圧巻。 丁寧にギターの奥にある響きを一音一音紡ぎ出すような演奏は、まさに南澤くん独自のスタイルと言えるでしょう。
「ソロギターのしらべ」の最新作発表も控え、彼のギターはさらに磨きが掛かってきたと感じました。
[写真:Sketch さん。すっかり夜になった中での絶妙の演奏。]最後はもちろん Sketch さん。ナイロン弦ギターで、チェット風のグルービーな演奏から、ビートルズ、クラシカルなバラードまで、いつもの匠の技を感じる演奏で、お客さんを大いに湧かせていました。
オリジナルの新作も懐かしい響きが感じられて、とても良かったです。Sketch さんの余裕のギター・プレイ。そしてだんだん夜になってきて、横浜の夜景が窓から見えるような絶好のシチュエーション。
あの大観覧車は、ちょっと方角が違っていて、窓からは無理やりでないとよく見えませんでしたが、それでもいい景色。みんなは、暗くなるにしたがって盛り上がって来ました。
[写真:左から南澤くん、Sketch さん、浜田のトリオ共演。]そして、最後は三人で「メイプル・リーフ・ラグ」と「ジャスト・ア・クローサー・ウォーク」。全部私の十八番で恐縮します。 私のギターの音が他より大きすぎて、ここでは私だけPA無しで弾きました。エッヘン。
この日のライブは、横浜のロマンを感じるような、いい雰囲気で終わったのでした。
お越しいただいたみなさん、本当にありがとうございます。昨年の新橋ライブでは終演後に打ち上げの時間がありませんでしたが、今回は桜木町の駅前ビルのレストランで、スタッフの皆さんも含めて会食ができました。
南澤くん、野菜嫌いは相変わらず(笑)。今度は彼と一緒に、白菜のいっぱい入った石狩鍋とか、切ってない人参が一本ごろんと入ったスープカレーでも喰いたいものです。喫煙派の Sketch さんは、禁煙派からの攻撃に対する理論武装がすごい。禁煙派の固く狭い考え方を容赦なく一刀両断します。話を聞いているうちに、ちょっとタバコが吸いたくなったような気がしました。さて、楽しい会食が終わり、ケータイ嫌いの私ですが Sketch さんからいけしゃあしゃあとケータイをお借りして(!)超安い宿を取り、私はその宿の門限と闘うかのように一路東京へと向かったのでした。
2.1月29日(日) 東京 国分寺・クラスタ(with 一卓嗣)
今回もお世話になりました、国分寺・クラスタでの恒例ライブ。
このツアーの目的の一つでもあった、一卓嗣(はじめ たかし)くんとのジョイント・ライブのスタートです。
[写真:浜田隆史。]
[写真:覆面シンガー2号(アメリカン仮面)。パンダを取りに来ました。]トップバッターは私。一くんは今回、トリをつとめる義務(?)を負っています。いうまでもなくラグタイムで盛り上がりました。 元の職場でお世話になった上司の方まで見に来ていただき、私は感慨無量。
今だから言うと、「忘れません」を唄ったとき、途中でホントに泣きそうになってしまい、わざと下手くそに唄ってしまいました。雰囲気を変えるため、また皆さんの暖かい視線に甘え、ついつい止せばいいのにまたも覆面クンを呼ぶことになりました。
呼んでみるとご覧の通り、新覆面シンガー(覆面シンガー2号/アメリカン仮面)が現れました。もちろん本州では初登場。まるでブルース・スプリングスティーンのようなそのいでたち。
昨年のライブで忘れたパンダ覆面を取りに来るという約束が、ここに果たされたのでした。しかし...雰囲気変えすぎ、というか、ぶち壊しでしょう、これ。
[写真:リハ中の一くん。]
[写真:本番中の一くん。いい気分でペシミスティック。]続いて一くん。
彼のギター音楽は機会があるたびに皆さんに勧めてきたつもりですが、じっくりと聞きたいメロディアスで繊細な曲が多く、昔ウィル・アッカーマンを聞いて感動したときのような切なさを覚えるのは私だけではないはずです。本番では黒い「ペシミスティック」Tシャツに裸足という姿。ラルビーのギターで奏でられる癒しの音に、しばし聞き惚れました。
私の知る限りでは、ギタリストの馬島昇さんと共通する「音のタペストリー」的な世界もほのかに感じられました。それにしても、彼のMCは今回も「自虐ギャグ」が炸裂していて、「すいませんね、こんな暗い曲ばっかで」とか「次の曲も暗いです」とか「恋人募集中です、でもこれじゃ恋人できないですよね」とか、もう落ちまくり。かなり笑いを取っていました。
ここまで自分を言葉でおとしめてくれるのは、むしろ、ある種のすがすがしさを感じました。
[写真:浜田と一くん。]もちろん最後は恒例の共演。全くリハをしていない中、強引に彼を誘ってセッションして、無理やり明るい方向に持っていきました。 こうして、ジョイント初日は無事に終了したのでした(実は無事でなかったことが後でわかりましたが...それは次回に)。
小さめの写真はクラスタの田中さんにいただきました。ありがとうございます。
3.1月30日(月) 東京 新橋・レッドペッパー(with 一卓嗣、小川倫生)
昨日は、また打田さんの家にご厄介になりました。
そのお礼に、この日の日中の空き時間は、この春に来日するステファン・グロスマンの宣伝チラシをDM用にひたすら三つ折りにしていました。あっ、なんだかコツを掴んだぞ。いける! さあ能率アップだ! なんてやっていたらそろそろホテルのチェックインのお時間になりました。しかし、ホントにTABにいると面白いというか、和んでしまいます。さて、国分寺・クラスタと同様、最近の定番となりつつある新橋・レッドペッパーの恒例ライブ。
なぜかここでやるライブは「三人ジョイント」が多く、あの伝説の「三人の変態」ライブの伝統が今に生きているのです。
この伝統、ぜひ私と一緒に継いで下さい。
[写真:浜田隆史。]今回のライブ企画は、一くん帰郷の記念ということで、彼がトリなのは始まる前から決定事項。
最初私は二番手の予定だったのですが、小川くんが呼んでくれたお客さまが遅れそうとのことで、急遽私がトップバッターで出ていきました。レッドペッパーのざっくばらんな雰囲気。クラスタとは別に、私の元会社の仲間にもおいでいただき、感激しながら演奏しました。
クラスタではうまく歌えなかった「忘れません」も何とかなり、終始楽しい雰囲気でのステージでした。
[写真:小川倫生くん。]続いて、小川倫生くん。ちょっとやせたかな? 何か、すごくかっこいい! 私はいつも彼の音楽に注目しています。新曲の演奏もあり、いつにも増してスリリングなパフォーマンスでした。
彼は今年の春発売予定の「ジョン・フェイヒイ・トリビュート」にも参加してくれていて、そこでの演奏はもう、...何というか、あらゆる意味でスゴイので、どうぞご期待ください。
[写真:一卓嗣くん。]そして一くん。この写真でわかると思いますが、やはり見事に裸足です。
私は著書『ミュージシャンのためのスットコドッコイ辞典』にて、この「裸足ステージ」を思い切りちゃかして書いておりますが、人から何と言われようとも貫く信念はステキだと思います。小川くんの完璧な音作りに比して、一くんの音楽は、結構アンプのボリュームを上げても音量不足に聞こえてしまいますが、これも彼の個性なのです。
私のギター仲間の中でも、最もシンプルかつ繊細な美しさを持つギタリストとして、この日の演奏も光っていたと思います。
[写真:左から小川くん、一くん、浜田。]思えば、この顔ぶれでやった2005年春のフーチークーチーでのライブの後、フーチーは無くなってしまいました。 しかし、ギターに掛ける情熱がずっと続いていれば、こうして場所を変えてでも、みんなそろってライブができるのです。機会があれば、何度でもやりましょう。
ところで、一くんが使っていたズームの新エフェクター、なかなかいい感じ。今度私も買おうかな。
そして山谷の安ホテル。日中から雨が降ってきて、少し寒くなりました。あんなにお日様に恵まれていたのに。やはり冬なのでしょうか。今回のツアーは正直カツカツになることが予想できていたので、この日の日中はあまりどこにも出歩かずに、本当に休息していたのです。
またまた正直に言うと、実はツアー初日から左足のかかと付近が痛くて(多分出発前に、散らかっている部屋で物を避けきれずに変にひねったものらしい)、みんなには心配掛けまいとずっと我慢していたのでした。しかし幸いなことに、どちらもこの日のうちにどうにか良くなり、改めて自分のたくましい体力に感心するやらあきれるやら。
そして、この日は再び国分寺のクラスタへ行きました。
なぜ?
実はまた忘れ物をしていたのでした...トホホ。
先に「無事ではなかった」と書いたのはこういうことでした。
今度はチューナーとコード。全く忘れ物の定番ですが、一体何度忘れ物をすれば気が済むのか、覆面クンにも愛想を尽かされそうで、自分の脳みそが怖いです。クラスタで思いがけなく楽しい飲み会。たまたまお客さんとしてきていたピアニストの方が余興で演奏されたので、私もついついジョニー・B・グッドまでやってしまいました。期せずして景気づけになりました。
名残惜しくも安ホテルをチェックアウト。このホテルには何度か泊まりましたが、いつも居心地の良さを感じています。とにかく安く・それでいて門限が実質的にないなど、いろいろ便利なのです。いや〜、人には教えたくないですね(笑)。
と言いつつ、とっておきの情報をお知らせしましょう。
このホテルの隣には、「カフェ・バッハ」という格調高い喫茶店があるのです。ちょうど朝から雨が降っていたので、私は時間を潰す意味でこの喫茶店に入りました。店名から予想される通り、BGMはバッハの室内楽曲(J−POPだったら怒ります)。私の好みです。コーヒー専門店なのでいろいろなメニューがあり、安くはない値段ですが、究極の安ホテルの隣が上品な喫茶店というこの構図はとてもユニーク。おかげさまで、心安らぐ時間を過ごしました。
時間をいくらか使っても、東京−横浜の距離はそんなに遠くありません。重たい荷物を引きずって歩くのもまずいので、こういうときの定番・インターネット・カフェに入って暇つぶし。しかし、クラスタでメールチェックなどをしていたので、どうもあまりやることがありません。こんな所でエッチなページを見るほど欲求不満でもありませんでした(笑)。仕方ないので少し寝ました。
フリードリンクあり、リクライニングシートありなど、普通の喫茶店などより設備が豪華なはずなのに、閉鎖的な空間なのでかえって落ち着けません(荷物もかさばるし...)。どちらかというと、今朝のカフェ・バッハでのひとときの方が精神的に気持ちよくて、ついつい思い出してしまいました。おっと、このままではいつまで経ってもライブレポートになりません。
今日は能見台の素敵なお店、ぐりふぉれ屋でのライブです。いつもお世話になっております。
[写真:一くん。]一くんとのライブ・シリーズも今日が最終日。やはり前半が私(演奏中に地震が発生しましたが、適当に受け流しました)で、後半に一くん。 彼の繊細な音のラルビーが心地よく鳴ります。ぐりふぉれ屋の広さは、ギターの生音が聞こえる位なので、本当はピックアップ無しで聴きたいところでした。
当日は、惜しいことにどしゃ降りだったり、地震で首都圏の電車が止まったりと、不幸な条件が重なってしまいましたが、二人とも充実したコンサートができたと思います。
[写真:左から浜田、一くん。ピアノの上には録音用ノートPCが。]最後に、初めて彼の佳曲「あかるいへや」で共演。メジャー調ですが、寂しくて不思議な雰囲気を持つ曲で、私もオブリを入れながら感慨深く楽しみました。 これからも、機会があれば、彼とのジョイント・ライブができればいいなと思います。一くん、これからもお互いがんばろう!
お客としてきてくれた Sketch さんも、ありがとうございました。
さて、ライブ終了後が大変。明日の名古屋に備えて、この日の夜11時半の深夜バスで名古屋に行く予定だったのですが、先に触れた通り地震で電車が遅れ、横浜のバス停までたどり着けるかどうか、かなりギリギリの状況を体験しました。結局、何とか間に合ってバスに乗り込めました。
そういえば、以前の『ライブ日記』にて「もう深夜バスは使わないと思います」などとはっきり書いてしまったのですが、財政状態が芳しくなくて、舌の根も乾かぬうちに(もとい、キーボードから指紋も消えないうちに?)やっぱりバスでの移動になってしまいました。
ああ、泥沼のバス地獄...
6.2月2日(木) 名古屋・Jazz 40/30(with 川合ケン)
乗ると、いつもの高速バスより若干寝やすい感じ。私が疲れていたのか、バス会社の努力のたまものか。
そして早朝。
...やっぱりきました。この疲れはしんどい。
バスの待合所や新幹線口の広場で座って時間を潰していると、一くんのブログみたいにネガティブになってしまいました。疲れた頭で一つ考えを巡らし、思い切って荷物をコインロッカーにぎゅうぎゅう押し込み、手ぶらで安宿かネットカフェを探すことにしました。実は前日のネットカフェで、名古屋のカプセルホテルの割引券をプリントアウトしていたのですが、探せばもっと安い宿がありそうな予感がしていたので、食事がてらあちこち巡ってみると...
あった! ついに見つけた1800円の激安ホテル。マジですか?
もちろん風呂は無し、トイレ共同ですが、名古屋地区での安宿記録更新です。
荷物を取りに戻り、とにかく電話して無理を言い、お昼頃にチェックイン。
生活感に溢れた部屋に転がり込むと、充実感と疲労ですぐ寝てしまいました。
[写真:川合ケンさん。プロローグはウクレレの背面奏法!]...なんだか安宿レポートになりそうなので、この辺にしときましょう。 今日の予定は、私としては昨年のボブ・ミルンさんのライブ以来となる、Jazz 40/30でのライブ。ウクレレ奏者の川合ケンさんといっしょです。
川合さんはウクレレだけでなく、ミンミンという名のストラムスティック状の楽器の名手でもあります。
[写真:川合さん。まるでマンドリンのような持ち方ですね。]私や川合さんの知り合いを中心に、お客さんは大いに盛り上がりました。 川合さんのエンターテナーぶりはもちろん健在で、ミンミンで文字通りジョプリンの「エンターテナー」まで弾きこなしてしまいました。
本当に、どこまでいくんでしょう、この人は?
[写真:左から川合さん、浜田。また録音用ノートPCが写っています。]次に私のステージ。たまたまジャンケンで勝ったので、今回のツアーでは珍しく後攻を取りました。新曲「しゃこの歌」をはじめ、自分も楽しみながら演奏。
直にお客さんと対話するような雰囲気の良さに、しばし陶酔しました。最後は恒例の共演。ギターとウクレレによるメイプル・リーフのデュオ演奏は、なかなか珍しいのではないでしょうか。
寒い中お越しいただいた皆さん、どうもありがとうございました。
[写真:激安宿の部屋内部。テレビは今どき課金制でした。]当初の予定では、この日に名古屋を出発して大阪入りするところだったのですが、宿代の安さと、泊まっている時間の有利さから連泊することにしました。 明日の最後の予定に備えてギターを練習したかったので、思い切ってお昼に、名古屋駅近くの広場で野外演奏しました。
アンプも何もなく、投げ銭箱も置かなかったので、ほとんどだれも聴いていない様子。ホームレスの人が一人話しかけてきてくれた他は、何の反応もありませんが、構わずいい気分で2時間くらい演奏。
途中からすごく寒くなってきたので、そのまま引き上げましたが、いい練習になりました。
その後、近くの檜風呂の銭湯に入り、心と体をリフレッシュ。
帰り道で、新幹線がちょうど近くを走っているのを見て、「ああ、乗りたいなあ...」と私は一人つぶやくのでした。
その新幹線の走る姿の美しいこと。少し見とれてしまいました。急速にそびえ立とうとしている高層ビル群を横目に見ながら、私はまたトボトボ安宿に向かって歩き出し、人生の悲哀をかみしめるのでした。まあ、多分乗ったら乗ったで、「乗らなきゃよかった...」なんて言ってたかも知れないですが。
8.2月4日(土) 大阪 岡町・あーとらんど PIA NEW!!
[写真:乗り継ぎ駅で待っていると、なんと吹雪。]名古屋から大阪に向かう様々な交通手段の中で、最も安上がりなのは近鉄の鈍行です。特に急ぐ必要のない時は、私はもっぱらこれに乗ることにしています。 もちろん経済的な理由もありますが、この電車は車窓からの景色もなかなかいいのです。
しかし寒い。昨日の夜から寒波襲来。もし北海道なら、もっとガンガン暖房を効かせるところですが、この車内は全く暖房無し。雪が降るほどの寒さをやり過ごすのは大変でした。
[写真:あーとらんどPIAで浜田のソロライブ!]大阪に着いた頃には心まで凍てつきそうだった私でしたが、やっと会場に着くと、みなさんは暖かく私を迎えてくれました。 以前からお世話になっている(有)art point の天満さん、井本くん、中井さんたちをはじめ、多くのスタッフの皆さんのおかげで、久しぶりのあーとらんどPIAでのライブは大盛況でした。
音楽で熱くなれる岡町商店街の未来は明るい! 私はお客様とともに楽しみながら、そんなことを考えたのでした。
本当にお世話になりました!
打ち上げも盛り上がり、その時いただいた「王将の餃子」の魅力は、翌日になってもそこはかとなく残っていました。
[写真:東本願寺の門の一つ。正面入り口でないのにこの大きさ!]お世話になった(有)art point を発ち、近くの高槻にある井上楽器にご挨拶。昨年暮れに大雪の影響で電車の部品の一部が飛び、お店のショーウィンドウに被害があったと聞いていたのですが、ともかく人的被害がなく、無事に復旧できて何よりでした。 その後、敦賀への旅路まで少し時間があったので、久しぶりに京都で途中下車して東本願寺を見学。
京都でもネットカフェを探しましたが、意外にもなかなかありません。やっと見つけて小一時間メールチェック。敦賀まで電車を乗り継ぎ、翌日の午前1時頃のフェリーで苫小牧への船旅です。
[写真:苫小牧駅行きのバスに乗ったところ。気温はマイナス13度。]本当は舞鶴−小樽のフェリーがベストなのですが、またまた運の悪いことに2日連続の休航日だったので、普段は使わない旅程になったのです。まさに苦肉の策でした。 しかしこれが大誤算。苫小牧東ターミナルに着いたは良かったのですが、そこからJR駅まではバスで40分以上という遠さ。実は、苫小牧東ターミナルはほとんど苫小牧ではないのです。
私は、ここ以上にJRの駅から遠いフェリーターミナルを知りません。ともあれ、何とかJRを乗り継いで、小樽に着いたのは夜の12時を越えていました。
こんなことなら、やっぱり一日待って舞鶴−小樽のフェリーを使うべきでした...総括すると、今回のツアーは、冬の最中、いろんな意味で苦しい旅になりました。正直言うと、心が潰れそうでした。しかし、かけがえのない友情、仲間たちとの絆、貴重な出会い、知り合いとの再会、そして何よりお客さんの拍手が心の支えとなり、何とか乗り切ることができました。
新幹線に乗れなくていいんです。また、無理やりライブをしなくたっていいんです。遠い街に私の音楽が好きな人がいるかぎり、私は、自然にまた旅をすることになると思います。
冬もいつかは春になります。今度は、春にまたお会いしましょう。
(完)