ライブ日記2007春(2007年4月19日更新)

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 目 次

・2007年春の本州ツアー以前

3月14日(水)小樽・一匹長屋(with 星直樹)
3月19日(月)小樽商科大学でのイベント演奏

2007年春の本州ツアー 3月20日〜4月1日

3月20日(火)広島・ OTIS!(with Shima、ウパシクマ)
3月21日(水)岡山 ゆめカフェ(with masaki μ)
3月23日(金)大阪 上本町・ダ・スポンジ・カフェ(with 河栄)
3月24日(土)奈良 大和高田・SCAR FACE
3月25日(日)名古屋・源(with 竹内いちろ)
3月27日(火)東京 池尻大橋・CHAD(with AKI、帯名久仁子、星文昭)
3月28日(水)東京 新橋・レッドペッパー(with 阿部哲也、Sketch)
3月29日(木)東京 国分寺・クラスタ(with 覆面シンガー)
3月30日(金)東京 世田谷・BAR スノウドニア
3月31日(土)千葉 新柏・キッチンパタータ NEW!!

4月1日(日)東京 文京区・音楽的自由空間 けやき(JRCミーティングに参加) NEW!!

 

・2007年春の本州ツアー以前

★ 3月14日(水)小樽・一匹長屋(with 星直樹)

 昨年のデヴィッド・トーマス・ロバーツ来日招聘事業が終わった後、私はしばらくミュージシャンとしての生活から離れて、生活のためにいくつかのアルバイト(CDRコピーの仕事とアイヌ語テープの聞き取り)をしながら暮らしていました。何とか生きていくことはできるという程度でしたが、同時並行で今年発表予定のオリジナル楽譜集の入力作業も行い、むしろ夏よりも忙しいくらいの、充実した冬になりました。

 しかし、やはり私はギタリストです。
 2007年初ライブ、音楽活動再開のこの日はどんなに待ち遠しかったでしょう。


[写真:星直樹くん。愛器ローデンの音色が渋い!]
 この日は、HARD TO FIND、RINKA のギタリスト、星直樹くんがオープニングで演奏してくれました。改めて彼のギターの魅力を堪能しました。

[写真:浜田。愛器マスター、まだ弾き足りない!]
 続いて私。

 久しぶりのライブなのに、お客さんは何と一人だけ(またやってしまった...)。しかし100人でもゼロ人でもやることは一緒で、私もベストを尽くして演奏しました。

 久しぶりに全曲オリジナルで、我ながら気合の入ったいい演奏ができたと思います。録音していなかったのが悔やまれます。

 最後に星くんと共演した「アリスのレストラン」も、リハは数分でしたがバッチリ決まっていました。

 自分が言うのもなんですが、こんないいライブを楽しむ人が数えるほどなんて実にもったいない。
 恒例の長屋ライブ、これからもあきらめずに続けていきたいと思います。

 

★ 3月19日(月)小樽商科大学でのイベント演奏

 これまで私は、小樽のギタリストといっても活動といえば運河で路上演奏しているだけで、最近のライブはほとんど一匹長屋のみ、そのライブに来るお客さんも上記のようにほんの数名、かといって私はギターの先生でもありませんから、師弟関係もありません。 こういう状況で、故郷の人とのつながりをあまり感じないまま、ミュージシャンとしての10年が過ぎてしまいました。

 しかしこの日、小樽商科大学の学位記授与式(卒業式)の後で、スクリーン投影の写真に合わせて少しギター演奏するという、OBとしてこれ以上ないくらいの名誉な仕事をいただきました。気がついたら、私自身も卒業後20年経っていました。光陰矢のごとし、です。

 商大を旅立つ若者たち、我が後輩たちの前途は明るい。 そう信じています。

 式が終わった後の祝賀会では、ついに卒業となってしまうたった一人の応援団員が、一世一代のエールを送っていました。出席者みんなで懐かしい「若人逍遥の歌」を歌い、思わずホロリとさせられました。
 ああ懐かしの(小樽商大VS北大)対面式よ。 応援団同士の、あのすさまじくヘンテコリンな野次を聞くのが楽しみだったのに。

 ともあれ、このお仕事でいろいろお世話になった関係者の方々に、心からお礼申し上げます。

 

 

◎ 2007年春の本州ツアー 3月20日〜4月1日

 春の本州ツアー、今年は合計で2週間ほどの長丁場になりました。
 企画段階では、すでに昨年から名古屋の予定が決まっていたので、その日の前後にいろいろ予定を組んでいったのですが、同時に入った先の小樽商大の予定と日程が少しかぶりそうで難儀しました。実際、当初は広島の前にいきなり北九州まで行こうとしたのですが、19日の予定とかぶらざるを得ないため、泣く泣く断念したのです。
 まあ、九州はまたの機会ということで...。

 さて、毎度おなじみ、交通手段の話題。

 すでにこの時期の格安チケット購入は、ツアーミュージシャンなら常識(?)です。
 これを取れなかったら、ツアーは即失敗すると思った方がいいでしょう(?)。
 ただし、最初の日の広島は、千歳−広島の直行便だと到着が遅く、リハの時間に間に合わないため、泣く泣く羽田経由の乗り継ぎで対処しました。直行便に比べて1万円程度のロスですが、こればかりは仕方がありません。
 さらに、別の恐怖もありました。19日の仕事終了後の飲み会の席で、お世話になった母校の方から「明日は飛行機なんですね。あれ、JALはストライキですよ?」と言われて、私は顔から血の気が引く思いがしました。

 「何でスト?」(なんですと?)

 とかなんとか下手な駄洒落を言っているうちにストは回避されたので助かりましたが、万が一そんなことになったら、その日のうちに夜行電車に乗らないといけないところでした。
 行きはこの「乗り継ぎ便」、帰りも飛行機、そしてすべての宿泊はホテルという、私のツアーにしては比較的ぜいたくなものとなりました(多分掛かった経費は過去最高)が、おかげで心に余裕を感じながら、実に楽しいツアーとなりました。

 

★ 3月20日(火)広島・ OTIS!(with Shima、ウパシクマ)

 上記のように乗り継ぎで広島に向かい、その乗り継ぎの最初の便が遅れたりしてハラハラしましたが、何とか広島空港に到着。これでも時間にはそんなに余裕がなかったので、急いで駅に行くバスに乗ったら、これも時間が掛かる...広島駅から何とタクシーでホテルまで向かったのですが、私の記憶が確かなら、これは自分のソロツアーでは初めてのゴージャス体験でした。普段であれば電車くらいは使いますが、基本は歩きなのです。
 デヴィッドさんのツアーのときは全会場そんな感じでしたが、こういう快適さは、癖になると困ります。
 歩け歩け!


[写真:Shimaさん。レイクウッドのきれいな音が印象的でした。]
 そしていつもお世話になっているOTIS!へ。冴えキングさんのお心遣いに感謝しています。

 今回初共演となったShimaさんの、ハワイアン・スラック・キー風の叙情的なギターは、旅の疲れを癒してくれました。オープンGチューニングの響き、かなり久しぶりに聞いたような気がします。

 後でいただいた三枚のCDRアルバムは、旅すがら聞いて楽しませていただきました。


[写真:ウパシクマのセッティング風景。いい写真がなくてすみません。]
 そして冴えキングさんのユニット、ウパシクマの幻想的な演奏。別の空間に連れて行かれるような、摩訶不思議なサウンドにみんな息を呑んでいました。

 私の写真はありませんが、今回のテーマである「オリジナル」の曲を中心に、ついに念願かなった竹ギター「クレオバンブー」のツアー初ご披露、そして初の試みとして紹介したアイヌ神謡など、盛りだくさんの内容でした。
 無理やり急いで広島に来るような形になってしまいましたが、皆さんのおかげで苦労が十分報われた演奏会になりました。

 

★ 3月21日(水)岡山 ゆめカフェ(with masaki μ)

 広島ではここしかないというくらいの良心的なホテルで一晩明かし(ただし大浴場はかなりぬるめ...)、翌日は早起きして高速バスで岡山へ。開場時間が2時と早めだったため、最初は新幹線での移動も覚悟していたのですが、幸いなことにバスで間に合いました。
 こういう移動手段の選択は、旅の醍醐味。車窓から見える景色もバッチリ楽しみました。

 初めてのお店、ゆめカフェさんは、大きな窓が印象的なさわやかなカフェ。ステージが三面鏡というのが珍しかったと思います。休日ということで、お昼のライブにぴったりの場所だったと思います。


[写真:masakiさん。ギターはローデンの珍しい(?)モデル。]
 久しぶりの共演となったmasakiさん。最新CDを引っさげて、実に繊細なプレイを聞かせてくれました。PAシステムも含めて、いつもいろんな意味でお世話になっています。

 ステージ衣装に全く無頓着なのは、私と同じ(笑)。



[写真:上がマスター、下が竹ギター。]
 前回の岡山ライブでは何と一人もお客さんが来てくれなかったのですが(「ライブ日記2006秋」参照)、今回はおかげさまで複数の暖かい視線を感じながら、私も心から楽しんで演奏できました。

 マスターはオタルナイ・チューニングで、クレオバンブー(竹ギター)はスタンダード・ベースという分担で、いろんな時期のオリジナル曲を演奏するというのが、今回のツアーのテーマでした。

 竹ギターはサスティンが意外に長く、本来は長い音のゆったりした曲が最も適していると思うのですが、今回は「猫座のラグタイマー」「ラグタイム・ミーティング」などの音数の多い曲にも合わせてみました。
 昔のギブソンのような鳴りで、ラグタイムにもフィットすると思います。

 三面鏡に囲まれ、心地よい脂汗をたらりたらり。
 masakiさんと最後にやった、ノダゴローさんに捧げるワンコード・セッションも心地よかったです。ノダさんとこういうのを録音しておきたかった...。

 

★ 3月23日(金)大阪 上本町・ダ・スポンジ・カフェ(with 河栄)

 22日(木)は空き日程で、岡山から大阪への移動日でした。例によって高速バスなのですが、いきなり岡山駅でチケットを買ったのは失敗でした。もう少しじっくり考えていたら、JRより両備バスの方が時間も合い、割引チケットも売っていたのです。
 まず第一に格安チケット屋に行く、というのがツアーミュージシャンの鉄則でした。

 そして、やっと着いた大阪では、いつも泊まっている格安ホテルに速攻でチェックイン。
 どのくらい格安かというと、教えたくないくらいの格安さ。
 それでは話にならないので、まあ比率的には、↓ こんな感じだと思ってください。


[写真:ホテル近くの自販機。これ、いいのかな?]


[写真:かの有名な通天閣の夜景を見ながら散策。安宿近くで味わう贅沢な時間です。]


[写真:河栄さん。ハワイアンからジミヘンまで、レパートリーもすごい。]
 翌日、アメリカのカントリーバーを思い出させるナイスなお店、スポンジカフェに初めてお邪魔しました。

 共演の河栄(KOEI)さんは、小樽運河で知り合ったナイスガイ。ウクレレやギターで心地よいグループ感を出しながら、いろんな曲をはつらつと歌い飛ばしていました。

 飲めば飲むほどに実力を発揮する、酔拳の使い手みたいな人。満員の会場は大盛り上がりでした。


[写真:前が見えないくらいの混雑。]
 河栄さんの心温まるステージに続き、私も思い切りはじけました(ステージでお酒は飲みませんが...)。
 割と歌ものの選択が多めでしたが、実は今までずっとこんな感じで歌いたかったのかも。

 しかし、恒例のアンケート調査(「ケータイをお持ちでない方はいらっしゃいますか?」)で、これだけの人数の人たちが全員ケータイをお持ちだったのにはビックリ。
 時代は、アンチ・ケータイ主義者に厳しくなってきました。


[写真:三者三様、この楽しそうな表情...。]
 最後の共演では、突然お店のマスターがアフリカの太鼓で参戦。リハのないハプニングも、ライブの醍醐味です。

 終演後も飲み会で大いに盛り上がり、私はお客様のお車で送っていただきました。
 みなさん、ありがとう!

 

★ 3月24日(土)奈良 大和高田・SCAR FACE

 続いて、今日は久しぶりに奈良のスカーフェイスにてソロライブ。
 あいにくの雨模様でしたが、そんなに強く降ってもいなかったので、近鉄の大和高田駅から歩いて散策がてら会場へ。この古い町並み、小さな「劇場」(昔なら芝居小屋というようなもの)まであり、結構この雰囲気が好きなのです。
 しかし、商店街の多くの部分はいにしえの勢いを失い、失礼ながら「シャッター商店街」と化しているように見え、どこにでもある話とはいえ寂しさも感じました。立派なホール「さざんかホール」が近くにあるのですが、そこだけが異様に近代化しているという印象です。スカーフェイスのようにこういう地域でがんばって盛り上げているお店は、本当に貴重な存在だと思います。

 さて、実はまたもや忘れ物をしていたことにこの日気づきました。
 昨日の大阪ライブで、忘れ物の定番「足台」をさらりと忘れてしまったのでした。
 もはや弁解不要、立派な若ボケ状態だと自分で自分を責めまくっていたら、昨日の大阪で共演した河栄さんたちがこの日お客として来てくれて、忘れた足台を届けてくれたのでした。ああ、ありがとう!



[写真:上・加留輝昭さん、下・タカシさん。]
 オープニングアクトとして、二人のシンガーソングライター、加留輝昭さんとタカシさんがすばらしい歌を聞かせてくれました。
 歌う喜び、現実とのギャップに悩む焦燥感など、みずみずしい感性が伝わってきました。

 お店の定期ライブをこなしている実力派。地元の人は、こうした地元の有能な若いアーティストたちをぜひ応援してください。


[写真:大人な雰囲気の竹ギター奏者。]
 2003年の秋にお邪魔してから時が流れ、店内は以前と違ったおしゃれな雰囲気が素敵でした。このネオンを背負った私の雄姿をご覧ください。

 昨日と同じお客様もいたので、私は昨日やらなかった曲を中心に選曲しました。

 終演後の打ち上げも楽しく、また帰りは河栄さんの車で送ってもらい、大感謝です。

 

3月25日(日)名古屋・源(with 竹内いちろ)

 前日は奈良のライブだったにもかかわらず大阪に戻って一泊。ツアーでは泊まるホテルを転々とするより、多少近ければ連泊するのが鉄則です。この方が泊まっている時間に余裕ができ、チェックイン・アウトの時間を気にする必要がないのです。三連泊となった大阪の格安ホテル、以前に比べてさらにサービスがよくなり、コーヒーチケットや貸しビデオが三本まで借りられるチケットまでおまけについてきました(さすがにビデオを見る時間はありませんでしたが)。関西ツアーには欠かせないホテルです。

 この日はそのホテルに別れを告げ、名古屋まで例の近鉄で移動。私の場合、大阪-名古屋間ではまず間違いなくこの経路になります。時に応じて急行と各駅の電車に乗り分けて速度を調整しながら、ホテルのチェックインにちょうどいい時間に到着することができるのは大きな魅力です。

 さて、昨年秋に引き続き、名古屋の源でのライブ。
 前述の通り、この日の予定がツアーで一番最初に決まっていたのです。


[写真:竹内さん。ギターはサンタクルズ。]
 初共演となった竹内いちろさん。2005年のモーリスのフィンガースタイルコンテストで優勝、翌年には本場アメリカのウィンフィールドで入賞という輝かしい経歴は伊達ではありません。

 楽曲の良さ、スタンダードチューニングを基本としながらも大胆なアレンジ、そしてリードフレーズの巧みさなど、私も大変刺激を受けました。

 初対面と思っていたら、私が2000年3月に大阪のミノヤホールで行ったライブにお客として来ていただいたのでした。


[写真:ノリノリのタケタケの浜田。]
 源のPAは最高の音。いつも気持ちよいフィードバックを感じながら、ギターに没頭できる会場です。

 後攻を譲ってくれた竹内さんに報いるためにも、私はいつも以上に熱の入ったプレイで応えました。

 このツアーでずっと歌ってきたアイヌ神謡、この日にやっと板についてきたような気持ちになりました。


[写真:歴史的なセッションは客席でのノンマイク共演。]
 最後のセッションも楽しく、有終の美を飾ったのでした。

 竹内さんとは、以前から故・ノダゴローさんとの繋がりなど、不思議なご縁を感じる関係でしたが、ライブ初顔合わせですっかり意気投合。機会があればぜひまた競演したいです。

 打ち上げがまた実に楽しく、名古屋での人の絆を感じつつ、暖かい気持ちで帰路に着いたのでした。

 

3月27日(火)東京 池尻大橋・CHAD(with AKI、帯名久仁子、星文昭)

 26日(月)はこのツアー最後の空き日程でしたが、名古屋−東京の移動日なのでほとんど休んだ気にならないものでした。移動手段は当然高速バス。深夜バスでないだけまだマシでしたが、上りは東名が混雑して、いつもの通り予定よりかなり遅れて到着したら、すでに夜の8時...。速攻で東京・南千住の安ホテルに直行。この日から何と一週間の連泊なのです。


[写真:思いがけず高速バス車窓から拝めた富士山。]

 翌日、ついに東京でのライブがスタート。まず最初は、濃い音楽仲間、世界のギタリスト、AKIさんの主催するライブシリーズ「AKI&フレンズ」への参加です。初めてお世話になる池尻大橋のCHADで、アットホームな雰囲気で行われました。


[写真:星文昭くん。ギターはテイラーのトゥリーオブライフ。]
 初顔合わせの星文昭くんのギターソロ、その若い才能を心から楽しませていただきました。
 ギタープレイの鋭さは言うに及ばず、マイクにこだわった音作りも私好みで、すばらしい音を出してました。

 若手のフィンガースタイル・ギタリストで、歌も歌える人は、実はなかなかいないのです。もうやることなすこと、カッコイイぞ!
 自分のと交換したデモCD、後で旅すがら聞いて、また新たな刺激を受けました。


[写真:マスターを弾く浜田。なんかレコーディングスタジオみたい。]
 時間は短めでしたが、私も負けじとラグタイム中心に演奏。星くんのマイクを借りたおかげで、ガンガン良い音が響いていました。

[写真:AKIさんとのセッション。終わりを探ってしまった私の負けです!]
 これぞライブの醍醐味、AKIさんとの久しぶりの共演。掟破りのワンコードセッションは破壊力抜群、AKIさんはやはりエネルギーの塊となり、いつ終わるとも知れない長大なセッションになりました。

 ああ録音しておくんだった!


[写真:AKI&久仁子。スゴすぎる...]
 そしてついに本命、AKI&久仁子登場。いや〜、ホント、この二人はスゴすぎます。久仁子さんの、うかつにそばに近づけないくらいの白熱した演奏振りは、たとえて言えば阿修羅や毘沙門天のよう(ホントは弁天様なのですが)。

動きが高速すぎて写真に写りにくい...

 彼らのエネルギーを分けてもらいながら、初めてのお店での楽しいひと時が過ぎていったのでした。

 

3月28日(水)東京 新橋・レッドペッパー(with 阿部哲也、Sketch)

 ギター&ダルシマーのデュオ・亀工房が、上野公園でストリート演奏するという情報を友人の前澤くんからもらっていたので、この日の午後行ってみたのですが、私は時間を間違えてしまい、指定の場所にいたのはなんと、ふんどし一枚で体を白く塗りたくって銅像のまねをするというパフォーマーでした。
 あちゃあ...またやってしまった。
 しかし、図らずも七分咲きの桜を見ることができ、花見客でごった返す上野公園を楽しく散策することができました。

 さて、東京ライブの二日目もオムニバスライブ、ツアーで恒例となっている「三人の変態」系列のライブです。今回は、すでに変態仲間の常連(こう書くとまた怒られますね)横浜のSketchさんと、偶然同じ横浜のベーシスト、初共演となる阿部哲也さんとのワクワクする共演でした。


[写真:ラミレスを調弦しているSketchさん。]
 Sketchさんは、愛器ラミレスで60〜70年代のロックやポップスの総まくり状態。以前共演したときからさらにレパートリーが増え、そのクールな表情と裏腹に、多くのお客様を楽しませるサービス精神にあふれていました。

[写真:浜田。この店の雑然とした雰囲気が好きです。]

[写真:阿部さんとのセッション。完璧だ!]
 続いて私が、ありがたくも満席状態の中、歌ものを交えて弾きまくりました。奇しくもSketchさんと反対に、今回はオリジナルが中心でしたので、好対照だったと思います。

 その後、ベースの阿部さんと「ロベルト・クレメンテ」「ハートランド」などで共演。以前スタジオなどで活躍した経験豊富な阿部さん、ラグタイムというユニークなジャンルにもピッタリ合わせ、完璧なデュオ演奏でした。
 レッドペッパーの店長、カズ大塚さんからは「ピアノみたいな響き」と絶賛されました。

 ああ、私はなぜこういうとき録音していなかったものか。それは、またの機会に。


[写真:恒例、三人のセッション!]
 またまたライブの醍醐味、セッションに突入。
 なんとなくの安直なブルース風セッションを嫌がるSketchさんの意向で、「ジャスト・ア・クローサー・ウォーク」と「メイプル・リーフ・ラグ」(またまた私の十八番で恐縮ですが)できっちりと共演。大団円となったのでした。

 

3月29日(木)東京 国分寺・クラスタ(with 覆面シンガー)

 さて、今日からソロライブ三連続という日程。いつもお世話になっているクラスタでのライブです。
 前に書いた通り、荷物を減らしたために服が足りなくなってしまい、お店に向かう途中の国分寺商店街の「洋品店」(すなわち洋服を売っているお店)で格安のステージ衣装をゲット。それが以下の写真の服です。 


[写真:田中さん撮影。カメラを向けられるとついつい...]
 って、いつもと同じ程度に地味な服だったりして。

 二日前のCHADにも来てくれたまごさんのためにも、ここは服からエンターテナーに徹する私なのでした。


[写真:同上。借り物のギターで見得を切る、我らが覆面クン。]
 都内のライブハウスで唯一覆面クンの出入りが許されている(?)クラスタでの出演に、アメリカン仮面もすっかり良い気持ちで歌いまくりました。
 人様の厚意に甘えるのもいい加減にしろと言いたいところをぐっと我慢してくれるお客様に、最大限の感謝をしたいと思います!

 いまさらですが、私と彼は超・別人です。服を見れば誰もが納得すると思います。

 

3月30日(金)東京 世田谷・BAR スノウドニア

 池尻大橋のCHADに近い場所にあるスノウドニアでのライブの日。
 割と寒い一日。今まで暖かい日が続いていたので、なおさら寒く感じました。

 行く途中に、やっと打田十紀夫さんのTABギタースクールへご挨拶に伺いました。今回のツアーは、打田さんと天満さんの春の本州ツアーと微妙に日程がかぶってしまったので申し訳なかったのですが、痛風も何のそのでお菓子をぱくついていた打田さんたちと業界の話題で盛り上がり、爆笑し、またまた癒されたのでした。何でこの方はこう、人の腹をよじらせてくれるのでしょうか。


[写真:西上くんとのツーショット。ギターは借り物のヤマハ。]
 もし私がスノウドニアの近くに住んでいたら、毎日でも遊びに行きたいくらい、ここも和める雰囲気のお店です(演奏中の写真は撮ってなかった!)。
 アットホームなライブで、みなさんの寒かった心が少しでも温かくなってくれれば幸いです。

 お客の一人、西上寛樹くんは、若いのに高田渡さんに影響を受けたさすらいのシンガー。終演後も良い具合に語り合い、終電が気になるくらいになってしまいました。

 

3月31日(土)千葉 新柏・キッチンパタータ NEW!!

 キッチンパタータと「戦うオヤジの応援団」にはたびたびお世話になっておりますが、今回は当初、栃木のフィンガースタイル・ギタリストの小川倫生くんとのジョイントライブになる予定でした。しかし、小川くんは体調不良のため残念ながら出演見送りとなってしまいました。その結果、図らずもここでは私にとって初めてのソロライブということになりました。

 彼とまた共演できることを願いつつ、今回は我が無二の親友・覆面シンガーに応援を頼み、ご快諾をいただきました。


[写真:愛器マスターを鼻歌交じりで弾く浜田。]
 お店は、駅から歩いて2分くらいなのですが、その途中に見事な桜並木があり、これはいいと思って写真を撮っていると、目の前に戦うオヤジの代表・山下さんが。何とドラマチックな再会でしょうか(笑)。

 応援団の皆さんのおかげで、またも楽しいライブになりました。新しいPA、良質のマイク、そして何より食べ飲みくつろぐお客様の笑顔。
 ノリノリのマスマス(?)で弾き倒しました。


[写真:覆面1号(パンダ仮面)とクレオバンブー。]
 そして、neko☆さんの「え〜っ、覆面クンは出ないの?」のリクエストについにお応えして、彼もご覧の通りゲスト出演しました。

 まずはパンダの「一号」。

 かなり歴史のある覆面(すでに6年目)で、補修を繰り返していたら、鼻の辺りのガムテープが経年変化を起こし、何かネバネバしていた、と彼は申しておりました。

 本来のギャラは50万円ですが、1曲の値段としては高すぎます。


[写真:覆面2号(アメリカン仮面)とマスター。服に注目。]
 そしてついにアメリカ国旗の「二号」まで参戦。この揃い踏みは、過去例がありません。なお、私はこの時、彼らにステージを任せて用を足しておりました(笑)。

 「みんなズボンと靴は同じなんだね」、「覆面クンはどうして変態チューニングで弾けるの?」、「三人一緒に何か歌ってよ」、などと無理難題を言われつつ、彼らも懸命にステージをこなしました。

 終演後は覆面の品評会に突入。

 これにて、私の東京ライブがすべて無事に終了したのでした。

 

4月1日(日)東京 文京区・音楽的自由空間 けやき(JRCミーティングに参加) NEW!!

 最後の予定は、日本ラグタイムクラブのオフミーティング。
 今年発表されたオムニバス盤『The Favorite -- Japan Ragtime Club CD Vol.2 --』発表記念として、私が関東方面のメンバーに声をかけて企画しました。ラグタイムファンの多い東京ですら、こうして同好の士が集まる機会はそう多くないのです。おかげさまで、とても楽しく有意義な会となりました。

 実は名古屋のライブで、会の代表の室町さんがお客としてきてくれていて、なんと「行けたら行きます」と名古屋からの遠距離参加を示唆していましたが、さすがに遠かった(笑)。しかし、いつか名古屋でも開催したいですね。


[写真:関東方面JRC記念写真!]
 CDの参加者が1〜2曲ずつ、ラグタイムの名曲を披露。私をはじめ、ギターの佐藤さん、ピアノの中岡さん、菅生くん、草野さん、吉村さん、中島さん、そして中島さんの録音を担当したプロの作・編曲家chamyさんも演奏。

 日本一のラグタイム愛好家、大矢さんのご厚意により、本場のラグタイムのビデオ鑑賞会も実現。ラグタイムファンにはたまらない、すばらしい演奏でした。

 また機会があれば、ぜひ開催したい会でした。

 翌日(4/2)、スマートに飛行機で北海道へ帰ったら、新千歳空港の気温は4度。
 ああ、帰りたくなかったなあ。
 もうしばらくは冬の名残とお付き合いして、それが終わったらやっと、小樽運河のストリートの季節です。

 次回のツアーは9〜10月ごろを予定しています。
 またライブでお会いしましょう!

(完)

 

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