浜田隆史 ミクシイ日記 (2007年7月分

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 ソーシャルネットワーキングサイトの「mixi.jp」で執筆している日記の過去分[親記事のみ]をここに公開します。
 記事が古いのはご容赦ください。

2007年07月02日23:11  大道芸人の顔
6月29日〜7月1日までの旭川の大道芸フェス、気持ちよく演奏できただけでなく、いろいろ得るものがありました。

以前からの知り合いだったえだまめくん、話しているうちに同じ小樽出身ということがわかったTomoくんなどなど、大道芸人の方々との繋がりがうれしい旅でした。

東京からやってきたカナダ人ジャグラーのジャーミー・イートンさんも素晴らしい人で、難易度の高いジャグリングだけでなくユーモアのセンスも抜群。同じ筋書きのステージを何度見ても感心する、まさにプロのエンターテナーでした。

脇で見ていて思ったのは、大事なのは技だけではないということ。技の精度を上げるために訓練するのはプロとして当たり前で、鉄のように強固な「リラックスした雰囲気」はそのもっともっと先にあると思うのです。

彼らの顔にはいつも微笑みがあり、三回チャレンジして何とか一回成功するかどうかというような競技種目のテンションはありません。失敗すらギャグのネタにしてしまうような懐の深さがありました。逆に、過度の緊張が見えてしまうジャグラーの演技は、客にもその緊張がうつってしまいます。

ジャンルは違えど、これはミュージシャンにも言えることだと思います。もちろん音楽に集中するのは必要なことですが、指板を凝視したまま「ミスしてはダメだ!」と言わんばかりの緊張が伝わるステージでは、その状態で仮にミスしなくても、リラックスしてたまたまミスした人より下手に聞こえるのです。

私も、顔でギターを弾くくらいの気持ちを持った方が良いと改めて思いました。
2007年07月04日09:57  iBEAM ACTIVE

ついにピックアップ「iBEAM ACTIVE」をモラレスBM-100につけてもらい、ついでに弦高調整もやってもらって、運河で試奏しました。
自然な音。マイクとまではいきませんが、少なくともハイランダーよりマイクに近い、自然な音です。ピエゾでこんなに自然に鳴るピックアップは初めてです。

ただ、マイミクのKanさんの「輪郭がやや甘いと聞いた事があります」というご指摘もやはり予想通りで、使ってみて合点がいきました。弦振動を直接拾っているわけではなくブリッジの板が介在しているせいでしょうか、よく言えば暖かい音、悪く言えば音の立ち上がりが鈍いということになります。その点では、当然ながらハイランダーに軍配が上がります。
それぞれ一長一短があるということですね。

とはいえ、サドル・ピックアップの(ビニールをこすったような)不自然な感じが全くなく、これからはこのピックアップのお世話になるだろうと思います。

2007年07月05日12:54  またもモラレス(BM-60DH)

久しぶりに怒涛のごとく連続でギターを買ってしまったことを告白いたします(笑)。

今度のギター、またもモラレス・ビッグ・マック・シリーズ、ドレッドノート・タイプのBM-60DHです。こちらはオークションではなく、大阪のミュージック ショップ マーチさんから、ネット通販で、ケースつき4万円で手に入れました。
http://www.j-guitar.com/sp/lis/sho/stock.cgi?sid=1131

結論から言って、これは今まで私が買った国産ドレッドノートの中でもおそらく最高の一台です(そんなにバカ高いギターは買ったことがありませんが...)。イメージとしては、以前試奏したことのあるヘッドウェイの高級ギターを思わせます。

音の粒立ち、適度なコードの反響、低音から高音までバランスのよい上品な鳴りなど、私がドレッドノートに期待するサウンドそのもので、全く文句の付けようがありません。こんな低価格で買ってしまって、申し訳ないくらいです。

BM-100と同様スキャロップト・ブレイシングのためか、指板側のボディーが沈み込んでいるという欠点がありますが、何とネックを一度継ぎ直した跡があります(本来あるはずのネックブロック内の型名表記が消えています)。そのため、音の狂いもなく、むしろBM-100よりも快適に弾けます。

モラレス恐るべし。

2007年07月07日12:34  チャントンコリ
最近楽器を買うというマイブームにのめり込んでいますが、とどめにアイヌの弦楽器トンコリを買うことになりました。

http://www.ainu-museum.or.jp/0407/tonkori_hoku.html

白老のアイヌ民族博物館が製作しているトンコリのうち、練習用トンコリ(can-tonkori 薄いトンコリ?)にはギターの弦が張れるということで、手軽なエレキトンコリにするために注文します。


全く関係ないですが、画像は昨日、手宮線(廃線)のあたりで撮ったネコのご家族の団欒風景。

2007年07月08日09:51  廣木光一ライブin小樽文学館
昨日は、ギタリストの廣木光一さんのライブを小樽文学館に見に行きました。
以前、「機会があったらぜひ見なさい」と言われていた、ノダゴローさんの師匠のライブ。ノダさんの一周忌が過ぎて、まさか小樽でその約束が実現するとは思わなくて、感慨無量でした。

前半はナイロン弦ギターソロで、ボサノバで即興という興味深いスタイル。最初の音が出た時点で、噂にたがわぬ素晴らしいアーティストであることがすぐわかりました。
実にクリアで端正、すばやく音を選びつつ進む理知的な即興は、野性味あふれるノダゴローさんとは全然違いますが、常に新しい即興の流れの中でふと垣間見える激しい熱情と自己の開放は、深いところで共通しているのだと感じました。

後半は、小樽在住のミュージシャンのサポートを受け、飯田雅春さんのベース、羽生一子さんのドラムを加えたトリオ演奏。エレキギターに持ち替えたレニー・トリスターノ風のクールなジャズを思う存分堪能しました。
お二人のサポートも素晴らしく、最後にやった飯田さんのブラジル音楽のリズムによるオリジナル曲での掛け合いが、特にエキサイティングでした。

CD『Bossa Improvisada』もバッチリ購入。
これからゆっくり楽しみたいと思います。

さあ、今日から若手ギタリスト伊藤賢一くんとのジョイント・ライブ。こちらはこちらでがんばりますので、よろしくお願いします。
2007年07月09日
12:14
 伊藤賢一北海道ツアー

東京の若手ギタリスト、伊藤賢一くんとのジョイント・ライブ、昨日札幌のガンゲットダイマにて行われました。

私が前半にモラレスBM-100でラグタイム演奏。
その後、伊藤くんの札幌初演。
Marin のナイロン弦ギターと、大屋ギター(鉄弦ギター)の二本を駆使し、完全生音でギター音楽の素晴らしさを堪能しました。変化に富んだオリジナル曲からアレンジものまで、私もギターファンの一人として楽しませていただきました。

終演後は、お店秘蔵のSPレコード鑑賞。

今日は一日あけて、明日からまた3連続ジョイント・ライブです。札幌近郊のギター音楽ファンは、ぜひ彼のギターを体験してください。

★7月10日(火) 札幌・Live House Funny
★7月11日(水) 小樽・一匹長屋
★7月12日(木) 札幌・フライアーパーク
http://www.otarunay.com/yotei.html

2007年07月11日09:49  伊藤賢一北海道ツアー2

昨日は札幌ファニーにて伊藤くんとのジョイント・ライブ二日目。
前回のダイマでは完全生音でしたが、今回はスタンドマイクすら使わないMファクトリーのオンラインセッティング。このシステムを使うとリバーブや コーラスで判で押したようにウェットな音を作ってしまう人が多いのですが、彼は全く生音を活かしたアコースティックな設定で、音作りのセンスも見事です。

演奏にも実に気合が入っていて、彼のジャンルをまたいだフィンガースタイル・ギタリストとしての魅力がはっきりと現れていました。

今回は伊藤くんの北海道初ツアーなのですが、それにしてもまだ周囲の注目度が低いようなのが口惜しいです。札幌近郊のギターファンは、この貴重な機会をどうかお見逃しなく。

★7月11日(水) 小樽・一匹長屋
★7月12日(木) 札幌・フライアーパーク
http://www.otarunay.com/yotei.html

2007年07月12日
01:47
 3

小樽・一匹長屋でのライブも無事終了。
残るは本日の予定のみとなりました。

★7月12日(木) 札幌・フライアーパーク
http://www.otarunay.com/yotei.html

2007年07月13日01:16  4(最終日)
昨日は札幌・フライアーパークにてジョイント。
伊藤賢一くんのツアー最終日が無事終了しました。
本当に彼はお世辞抜きですばらしいギタリストです。

このライブ・シリーズにお越しいただいた皆さん、どうもありがとうございました。何かのご都合で見られなかった皆さん、次の機会によろしくお願いします。

さて、私は今、札幌のインターネットカフェから書き込みしています。実は、札幌・小樽間で初めて終電を逃してしまったのでした(あと2分で涙をのみました...トホホ)。

最初に当てにしていた札幌駅西側のお店がなんと閉店していたようで、その後も駅の周辺をウロウロしましたが何もなく、仕方なく大通りの近くのネットカフェに入ると、平日夜の6時間パックで1200円という安さ。捨てる神あれば、拾う神ありです。
どうせこんな場所ではグッスリ眠れないでしょうが、ネット難民の気持ちになってこの状況を楽しんでいます。
2007年07月14日
03:36
 今年は不参加
7月14〜15日の追分ラッキーフェスへの参加は、急遽見送りました。
期待を裏切ってしまい申し訳ございません。
来年はぜひ参加したいと思います。
2007年07月16日09:53  チョコレートパフェ
この土日、追分ラッキーフェスの出演を見送ってまで、小樽運河でのギター演奏に専念しました。今年は運河での投げ銭成績が過去最低で、ありていに言えば経済的理由です。

ラッキーフェスは一年に一回、私にとって人生の楽しみそのものなので、これは苦渋の決断でした。過去に何度か休んだことはありましたが、その甲斐あってまあまあ稼いだものの、心は晴れないままでした。

覆面クン、怒ってましたが、最終的には私の肩をポンと叩いて、慰めてくれました。

「まあ仕方ない。浜田クン、また来年、現地でな」。

「ふ、覆面クン...げっそりじゃないキスマークでもない泣き顔」

「泣くなよ。さあ、命で笑え(?)」

昨日はそんな状況で疲れていて、正直言って気分も冴えなかったので、せめて晩飯で景気をつけようと、普段行かないハンバーグレストランに行き、でかいハンバーグディッシュを完食。

ついでに、何を思ったか、おそらく我が生涯で初めて「チョコレートパフェ」というものを頼みました。脳天に突き抜ける甘さとアイスの冷たさが、私のしょぼくれた頭をリフレッシュして、必要以上に元気が出てきました。
おかげで、夜は実に楽しく演奏できました。

チョコパフェ、落ち込んでいるときには効きます。
2007年07月17日12:56  トンコリ到着

先日頼んでいた練習用ソリッド・トンコリ「チャントンコリ」が到着しました。さすがアイヌ民族博物館のプロデュースだけあって、練習用といえどもしっかりした作りでした。

本来、トンコリは船のようなボディーを備えていて、中に「サンペ 心臓」という玉が入っているのですが、こちらは完全に一枚の板。おそらくエゾ松単板で、ギターの表面板に使ってもおかしくないものです。
そのせいか、期待以上のいい音がしています。もちろん音量的には本物にかないませんが、割ときちんと鳴っていて、私はこれでも十分だと感じます。

糸巻きはクラシック・ギターのものを流用していて、弦はフォークギターの巻き弦を使用。琴のような弦を使う本物よりもテンションがかかっているようで、チューニングも安定しています。
おまけに刺繍の入った布ケースも付いていて、これで9000円は破格の安さでしょう。アイヌ音楽に興味のある方に広くお勧めします。
http://www.ainu-museum.or.jp/0407/tonkoriq&a.html

2007年07月21日
13:01
 20万ヒット御礼
私のホームページ、開設以来8年目ですが、ついに20万ヒットを迎えました。皆さんのご支援に感謝します。

恒例の記念品は、20万ヒットにふさわしく、完全オリジナルの新作のMP3ファイルです(「お祭り即興曲」)。これは8月1日までの限定公開といたします。

どうぞお気軽にダウンロードしてください。
http://www.otarunay.com/
2007年07月23日12:18  負け続けの一日
おととい、昨日は運河の浅草橋でオールディーズ大会。大きなステージを組んで大音量のロックが鳴り響きました。
この時期は毎年イベントのシーズンで、今に始まったことではないのですが、こういう場合、音楽は単純に音量で勝負が決まるものです。当然、ストリートでしょぼい音を出すこちらは完全敗北に終わりました。

ところで、私は先日のギターやトンコリのネット通販で味をしめて以来、オークションなどのアコースティック市場動向の確認が日課になっているところですが、昨日Johnsonのリゾネーター・ギターが超安値で出品されているのを発見しました。
リゾネ−ターはちょっとあこがれていた(しかし未だかつて手に入れたことがない)し、中国産Johnsonの品質には定評があるため、入札で一か八かの勝負に出ましたが、あと5分を残して大逆転。これ以上はまずいと判断して、あえなく撤退しました。

う〜ん、負け続け。
でも正直言って、ちょっとほっとしています(笑)。
2007年07月26日01:04  トミー・エマニュエルのクリニック
ついにトミー・エマニュエルが札幌へ。
明日のオープニングを控え、はぐねっとのご厚意により、私はメッセホールで行われたギタークリニックに参加しました。

噂にたがわぬ超絶グループ、実に楽しそうに演奏する人です。
物腰も実にフレンドリーで、当然、改めてファンになってしまいました。
チェット・アトキンスを知らない若い世代にも、彼のギターの楽しさはわかりやすく伝わっているようです。

クリニックは、とにかくギターを弾きまくりでした(笑)。
彼が使用するメイトンのギターはもはやボロボロ、これだけ使い込まれたのだから、おそらく世界でもっとも幸せなギターでしょう。

まず何よりも自分の演奏を録音してタイム感覚を養うこと、そして多くのいい歌を聴くことが大事。いわば割と月並みなアドバイスなのですが、世界のトップレベルにいるギタリストだからこその説得力がありました。

参加者との競演コーナーでは、私も瀬尾さんのギターをお借りして、光栄にも「ジャスト・ア・クローサー・ウォーク」で簡単なセッションをしました。
もちろん最高の気分でした。

打ち上げがまたまた盛り上がり、私は現在すすきののカプセルホテルでこれを書いています。終電を逃すのがくせになりそうで怖い。
2007年07月28日14:59  いまさらですが「千の風」
今日は雨なので、ネットで調べ物をしていたのですが、偶然「千の風になって」の原詩にたどり着きました。
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/prof/1000winds.html

http://www2.big.or.jp/~yba/column/1000winds.html

詩には2バージョンあるとのことですが、作者メアリー・フライ(Mary Frye)のオリジナルの方が、洗練されていない代わりに詩情に溢れていると思います。

ここで提示されている訳には個人的に不満があるため、以下に私も試してみました。ほぼ直訳といってもいい、工夫のない訳ですが、こちらの方が私は納得いきます。

私の墓の前で泣かないでください
私はそこにいません、眠っていません
私は吹きそよぐ千の風の中にいます
私はやわらかく降る雪です
私は優しく降り注ぐ雨です
私は実った田畑です
私は朝の静寂の中にいます
私は輪になって飛ぶ美しい鳥たちの優雅な群れの中にいます
私は夜の星の輝きです
私は咲き誇る花々の中にいます
私は静かな部屋の中にいます
私は歌う鳥たちの中にいます
私はいとおしいもの一つ一つの中にいます
私の墓の前で泣かないでください
私はそこにいません、死んでいません


いまさらで申し訳ないのですが、「千の風になって」の歌が巷に流れているとき、私はいつもその歌詞に違和感を持って聞いていました。お墓にお参りすることを否定しているような内容と読むこともできたため、日本人の宗教観と合わないと思ったのです。
しかし、この原詩とそれが書かれた状況を知って、なるほどと思いました。そもそも、お墓参りをしたくても状況的にできない人を慰めるために作られたものだったからです。

お墓や仏壇は、単なる遺骨の安置所などではなく、ご遺族の祈りをあの世に届ける、大事な通信拠点のようなものだと私は思っています。
無意味だからもうお墓の前に来るな、という内容ではないのだと知って、やっとこの詩が好きになれそうです。

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