5.バグズ・ギア Bugs Gear

OR−50UL(2005年製、J 0503008)(現在無し)

表面板:スプルース単板
側板・背面板:ローズウッド単板
指板・ブリッジ:黒檀
ネック:マホガニー
 
使用アルバム:なし
 
 2007年12月、性懲りもなくオークションで激安価格で落札したギター。
 「バグズ・ギア」は韓国製のギター。国産ギターマニアである私が、モスマンDY以来、実に15年ぶりに購入した海外製のギターです。バグズ・ギアは通信販売が中心で、店頭にはあまり並ばないギターのため、どんなギターかは噂でしか聞いたことがなく、私は以前から興味を持っていました。
 
 プロのギタリストで言えば、谷本光くんがバグズ・ギアのSJTC-30ETL というエレアコ仕様のモデルを使っていました。

 

 このモデルは、私が好きなOMタイプのローズウッドモデル。仕様は、愛器カワセマスターOMとほとんど同じですが、スキャロップトブレイシングであるという点、そして装飾に手が込んでいるという点がマスターと異なります。
 
 そう、ご覧の通り、装飾は異常なまでに豪華で、指板の上や周囲、裏板センターにまで埋め込まれた貝細工だけをみると、定価(奇しくもマスターと同じ15万円)が信じられないくらいの高級感があります。材もなかなか良質で、特に音に一番影響のある表面板と裏板はかなり上質。グローバーのオープンペグも回しやすく、コストパフォーマンスは最高です。
 
 中古だったとは思えないほど新品同様の状態で、弾かれた跡が全くありませんでした。そのため、肝心の音はまだ若く、少し箱の中で鳴っている感じがします(以前持っていたアストリアスのトゥリーオブライフがそういう感じの音でした)。もっとガンガン弾いて、音を表面板の外に出していかないといけません。ことギターに限って言えば、キレイであることは何の自慢にもならないのです。
 
 しかし、マスターOMと同系統のしっかりした伸びのある音は、このままでもかなりのレベルです。弾き込めばすぐにバランスよく鳴ってくるでしょう。弦高も低く、触るのが楽しいギターです。
 私が録音で使うのはまだ先になりそうですが、所有ギターの中で最年少のバグズ・ギア、一から育てていくというのまた一興だと思います。

 

追記(2009-5-31):このところ、マスターOMの響きにすっかり心酔していて、いろんな意味で似た系統のバグズギアを弾いてあげる余裕がなくなってきたため、まだ状態のいいうちに手放すことにしました。短い間でしたが、バグズギアの良質なギターを持って、私のギター観にとって得るものは大きかったと思っています。

 

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