10.キャッツアイ Cat's Eyes
★ TCE35TW(現在無し)
- 表面板:スプルース合板
- 側板・背面板:サペリまたはオバンコール合板
- 指板:ローズウッド
- ネック:ナトー
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- 使用アルバム:「最後のペンギン」
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- キャッツアイ(東海楽器)は、いわずと知れた国産フォークギターの一大ブランド。一時期なくなっていたが、1991年から復活している。
- 私のキャッツアイ歴は意外と古く、最初のアルバム(1986)には既にこの12弦ギターを使っていた。多分札幌の古道具屋さんから購入したと思う。TCE35TWは、カタログによると12弦の最下位機種。キャッツアイへの愛情溢れるホームページ「The
Cat's Eyes Guitars World」(http://members7.tsukaeru.net/levante40/)によると、1983年以降に作られたものらしい。私は1986年にはすでに購入したので、中古で売りに出されたとすればちょっと早すぎる。ひょっとしたら中古ではなくセール品か何かだったか? ただし、今考えても音的にはかなりショボくて、アルバムではリバーブを多めにかけてごまかしたのを覚えている。その後、上京前にどこかに安く譲ってしまったと思う。
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★ CE−2000T?(現在無し)
- 表面板:エゾ松単板
- 側板・背面板:ローズウッド単板
- 指板:ローズウッド
- ネック:マホガニー
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- 使用アルバム:なし
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- 買った経緯をよく覚えていないのだが、ともかく1988年頃に手に入れたオーディトリアムタイプのギター。もうすでに細かい部分を覚えていないし、写真も二枚しか残っていないのだが(私の頭の中では無かったことにされていたらしい...)、それによるとピックガードがついていない。ペグがゴールドなので、CE−2000T以上の機種なのは間違いない。ただ、確かCE−2500T(最上位機種)ではなかったと記憶しているのだが、はてどうでしたっけ。
- キャッツアイのオーディトリアムは、通常より長いサドルやV型のネックなど、オールド・マーチンのテイストを加えた、大メーカーにしてはマニアックな作りだったと思う。昔のカタログでは、ジョン・レンボーンも持っていて、彼の大ファンである私は以前から憧れていたギターだったと思う。
しかし、こんないいギターを持っていて、なぜ記憶が曖昧なのか、またなぜアルバム録音に使わなかったのか。それは、一にも二にもこの音に満足できなかったからに他ならない。買ってはみたものの、多分このギターの状態がそんなによくなかったのだろうか、期待していたほど鳴らなかったと記憶している。
ただ、誤解して欲しくないのは、これはあくまでたまたまだったということ。学生時代に弾かせてもらった先輩の同じタイプのキャッツアイは、ものすごくよく鳴っていた。よく言われることだが、(キャッツアイに限らず)マーチン・タイプのギターは、なぜかその音質にかなりの当たり外れ、つまり個体差があるのが不思議である。
結局、左の写真を撮った1989年頃、別のギターを買うために下取りに出したようである(この辺の記憶も曖昧...)。
★ CE−150V(現在無し)
- 表面板:スプルース単板
- 側板・背面板:ローズウッド単板
- 指板:エボニー
- ネック:マホガニー
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- 使用アルバム:「ラグタイム・ギター」
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- キャッツアイ・1991年からの復活は、当時の私にとって大きな関心事だった。当時、カワセ楽器に入り浸っていた私はそのことを知らされて、同じく復活していた「マスター」とともに欲しいギターの候補になっていた。そして、悩んだ挙げ句にこの新生キャッツアイ・ギターを購入したのである。
- 国産ギターが自分の指になじむことを体感してきた私は、この良心的な作りのギターにかなり愛情を注いだ。このギターに捧げる曲「キャッツアイ・ラグ」(1991)は、そうして生まれた曲である(ただし録音日程の関係で、当該の曲はヤマハS−51で録音したものが最終テイクになった)。
- しかし、私には珍しく新品ギターで買ったことが裏目に出て、どうも音が固く、またV型ネックにも微妙な違和感があり、いつしか自分にとって弾きやすいヤマハの方がメインになっていった。その後、これまた悩んだ挙げ句、涙を飲んで手放した。
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- キャッツアイと自分との巡り合わせは、今までそれほど良かったものとは言えない。繰り返すが、これはたまたまだと思うので、願わくば、良好なコンディションのキャッツアイ・ギターをまた試してみたいものである。
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Snappy
12弦ギター(1970〜72年製?、型番・シリアルナンバーなし)(現在無し) NEW!!
- 表面板:スプルース合板
- 側板・背面板:ローズウッド合板
- 指板:ローズウッド
- ネック:マホガニーとメイプル(?)の3ピース
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- 使用アルバム:なし
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- 2008年、ヤマキF−250とほぼ同時にヤフーオークションで手に入れた12弦ギター。ほとんど投げ売り価格で買ってしまいましたが、実はかなりの当たりでした。
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- この「スナッピー」は、キャッツアイで有名な東海楽器が作ったらしい、謎のブランド。1970年から1974年頃まであった「ハミングバード」(初期)や「ハミングバードカスタム」(よりマーチンコピーを意識したもの)というキャッツアイ以前のブランド、さらに1975年以後の「キャッツアイ」を正規品とすれば、そのB級品・ワケあり品を「スナッピー」の名義で売るという位置づけだったらしいのですが、確かな資料がほとんどないため、詳しいことは不明です。なにしろ、ラベルには「SNAPPY」という文字しか書いていないので、型番すらわからないのです...。
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- 同じ東海楽器繋がりということで、一応キャッツアイのページに分類しましたが、伝統的マーチンコピーとはかなり趣の違うヘッドの形やポジションマークのインレイなどから、このギターはカスタムの付かない「ハミングバード」(1970〜72年頃?)の時代に作られたように思われます。オークションでは似た装飾の付いた1971年製ハミングバードを見たことがありますし、キャッツアイのギターに詳しいページ『The Cat's Eyes Guitars
World』によると、1973年頃のカタログにはすでに「ハミングバードカスタム」が載っているため、少なくとも1972年以前に作られたものと見るのが妥当なようです。
さっそく試すと、結論から言って実にいい買い物をしました。なかなかいい、というレベルを超えています。予想通り正々堂々のオール合板ギターですが、6弦とは奏法も鳴り方も違うので、6弦ほど単板にこだわらなくてもいいかも知れません。
バインディング、3ピースネック、アジャスタブル・ブリッジ(これはありがたい!)、ゼロフレット、合板の材質、仕上げ、どれをとっても低価格帯の中では最高クラスだと思います。板は、同じ材同士の合板になっています。3ピースネックもそうですが、普通に単板で作るよりも手間が掛かっているかも...。ネックのジョイントもちょっと変わった構造になっていて、試行錯誤の跡がうかがえます。
肝心の音も、タイトでなかなか良い響き。録音で使えるレベルです。上で紹介している、私が学生のころ持っていたキャッツアイの12弦(TCE35TW)とは比較になりません。ヤマハLL-25-12に比べるとラウドさには欠けますが、経年変化でボディー全体に響きが伝わっていて、心地よいのです。ただし、他の単板12弦ギターと比較すると、やはり合板としての音域の狭さを感じますが、このオールド・チープな感じが他の二本にはない味になっています。
欠点は...やはり糸巻き。もともと安っぽいものである上に、いくつかの糸巻きが別のものに付け替えられていて、途中から逆付けされていたり、いかにも応急処置的。いくらなんでもこれはひど過ぎる(笑)。さすがに、いつか取り替えようと思います。また、昔の仕様なのか、12弦なのにブリッジ側の弦幅が狭くて(1〜12弦までで5センチの幅しかありません)、右手が弾きづらいのです。この点も少し惜しいです。
とはいえ、外見がなかなかカッコイイ、音もそこそこという、おいしいギター。
いろいろ遊べそうでしたが、ジャンボの12弦ギターを別途入手したため、このギターは2008年8月に手放してしまいました。
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