7.国産ギャラガー

 

ギャラガーGL−10CE(1990年代、#302142)(現在無し)

表面板:スプルース単板
側板・背面板:ローズウッド合板
指板:ローズウッド
ネック:マホガニー
その他:エレアコ仕様、ピーク型のカッタウェイ
 
使用アルバム:なし
 
 ヤマハFG−140購入後わずか一ヶ月の2000年10月に、小樽の楽器店「Tone Poem」で購入したギター。
 
 ギャラガーというと、アメリカの名ギタリスト、ドク・ワトソンが使って有名になったギター。ブルーグラス系の人を中心に、根強い人気がある。しかし、どうやらこれは日本で作られたものらしい(1990年代の一時期に、神田商会が取り扱っていたという)。この辺に詳しい方は、ご教授お願いいたします。
 しかし、私はよっぽど国産ギターにヘンタイ的な愛情を寄せているらしい。むしろ、その「国産」の響きが私を魅了したことは否定できない。例えば有名ギタリストが、自分の愛器をゴージャスに紹介している雑誌の記事などがよくあるが、私がそれをやったら本当に中古楽器屋さんみたいになるなあ。ちょっと恥ずかしい。
 
 これはドレッドノートタイプのギターで、単板らしい。とんがったカッタウェイがかっこいい。表面板にステッカーを貼っていた跡が残っていて見栄えが悪い他は、フレットの減りも少なく、仕上がりも丁寧で状態もいい。ドレッドノートタイプなので低音のボリューム感があるが、出過ぎでもないところがいい。カッタウェイやエレアコの部分に体積を間引かれて、ちょうどいい鳴りになっている感じがするのだ。
 そして、これが一番大事だが、とにかく弾きやすい。音は意外にヤマハのLLシリーズに似ていて、パン!と細くてもしっかりした音が前に出てくれるので、私にとっては全然違和感のない理想的な感触である。
 
 エレアコ関係では、手元に近い側板にコントローラーが内蔵されている。最近のプリアンプの仕様に近いようで、周波数可変のパライコの他に、3バンドのグライコまで付いている。これは一見ずいぶん重宝しそうだが、実際は、ギタープレイヤーが演奏の最中にクリクリとイコライザーをいじくるような状況は想像しにくい。もちろん、これらの機能を状況に応じてきちんと使いこなせる耳のいい人は別だが、私は特にこういう機械を使おうとは思わない。音質の程度にもよるが、要するに外で聞こえる音さえ出せればいいのだ。
 
 いつも私が使っているアンプにも音質調整のつまみくらいは付いているし(それでもほとんどいじらない)、ハウるような場所でやるときは、大抵PAさんが面倒見てくれることになるはずだし、むしろあっちでもこっちでもいじると要らない混乱を招く可能性がある。こういうコントローラー付きのエレアコが流行してかなり経つが、初心者が気ままにつまみをいじる時、PAさんは「この野郎、またいじりやがって!」とか言いながらやきもきしているかも知れない。
 さらに、ギターを持ち替えたりする際に、うっかりコントローラーに触ってグライコのレベルを変えることもあり得るので、使わない人にとってはかえって煩わしい。最近は、つまみを押すとボディーに埋め込まれて、誤作動を防止できるようになっているものもある。
 
 しかし、前の項で「カッタウェイのギターが欲しい」と言っていたのだが、まさかそれがあのギャラガーの廉価版かつエレアコ仕様になろうとは...自分のことながらまったく予想だにしていなかった。こういう突然な人生は、私の望むところである。
 運河で弾きまくる予定だったが、備え付けのピックアップの出力が予想より低いことがわかり、現在は外では弾いていない。
 
 
追記[2007-5-22]:ギターが増えてきたため、残念ながらこのギターは、2007年に手放す予定です。あまり弾いてあげることができなかったことが心残りだったので、せめて次のギタリストに思い切り弾いていただければ幸いです。
 以下に、手放す直前の記念写真を載せておきます。
 
 

 

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