6.グランド・オープリー Grand Opry

CF−81(1976年製、#02233H)(現在は無し)

表面板:スプルース単板
側板・背面板:ハカランダ合板
指板・ブリッジ:エボニー
ネック:マホガニー
 
使用アルバム:「最後のペンギン」「夏の終り
 
 このギターは、2001年頃「ギター売ります」コーナーで写真つきでご紹介していた。つまり売りたかったわけだが、実は残念ながらその時は売れなかった。ミニアルバム『夏の終り』(2001)のレコーディングに使うために、売りに出していた楽器店・トーンポエムから一時的に引き取ったはずが、再度ぐぐっと愛着がわいてしまい、結局そのまま売らずに引き受けることにしたという次第...。
 
 1976年、マルハ楽器製の典型的なマーチンD-28コピーモデル。昔のブルーグラス雑誌に広告が載っていて、そこで当時の定価が8万円だということがわかった。多分名前は、カントリーのメッカ・ナッシュビルの「グランド・オール・オープリー」から。私は、カセット『最後のペンギン』(1986)の数曲にこのギターを使用した。その後は兄に預けていたが、兄もほとんど弾かなかったため、ほとんど無傷で帰ってきた。
 
 もともとブルーグラス系の人が使うためのギターだったと思う。一言で言えば、そのファットな低音が最も魅力的な特徴である。アタックの強い国産ならではの音は、オールドかつ中堅価格帯ということもあり、結構しっかり出ている。
 『夏の終り』の録音は、これを使う前にはほとんど終わっていたのだが、売れ残ってしまった不憫なこのギターのために、あえて勢いのある曲「オード・トゥ・ボブ・ハドリー」の録音に使った。音のきらびやかな伸びという点では残念ながら少々不足しているのだが、この曲は中低音域のエネルギーを出したかったので、まさにうってつけであった。

 しかし、別のギター「モラレス BM−50」を購入するため、私は2003年6月にこのCF−81を手放した。つい最近まで「もう売らないよ、残念でした!」などとかっこいいことを書いていたのだが、さすがにこれ以上B級国産ギターが増えると、本当にめんどうを見てあげられなくなるので、やっぱり手放すのがこのギターのためだと思った。今にして思えば、このギターは意外にも、フィールズに次いで私が最も長いこと保有していたギターだったので、感慨深い。

 

TOP  ギター列伝インディックスへ戻る  HOME