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Traveller's PrayerJohn Renbourn(Shanachie 78018、1998年)

1. Bunyan's Hymn (Monks Gate) / 2. When The Wind Begins To Sing / 3. Wexford Lullaby / 4. I Saw Three Ships - Newgate Hornpipe / 5. Planxty Llanthony - Loftus Jones / 6. Fagottanz / 7. At The Break Of Day / 8. Traveller's Prayer / 9. South Wind - Feathered Nest / Estampie

 私の最も尊敬するギタリスト、イギリスのジョン・レンボーンの作品。今のところの最新作ですが、春のツアーでTABのオフィスにおじゃました際に購入、遅まきながら初めて聴きました。なぜ今まで買っていなかったのか、自分で自分が許せません。他にも東京では多くのCDを買いましたが、純粋に、音楽的に、これに勝る感動はありませんでした。

 イギリスやアイルランドなどのトラッドや、落ち着いた雰囲気を持ったオリジナル作品。過去の作品で言えば『The Black Balloon』『The Nine Maidens』にサウンドは近いと思うのですが、一曲目の「Bunyan's Hymn」の叙情的ギターに続きクラリネットの透き通った響きが絡むと、すでに心が鷲掴み状態。高速バスに乗りながら聴いていたのですが、思わず涙がポロリ。「ずるいぞ、こんなアレンジするなんて、泣くしかないじゃないか!」という感じでした。

 このアルバムには、そんなジーンとくるバラッド調の曲がたくさん入っています。ギターソロの愛好者にも参考になると思いますが、もはやどの曲もギターインストなどという狭くなりがちな世界を完全に飛び越えていて、クラシックの室内楽にも比肩する美しいアンサンブルが楽しめます。
 もちろん、ただ美しいだけではありません。特に名曲「South Wind」に続くテクニカルなダンス・チューン「Feathered Nest」でのフルート、イーリアン・パイプとの掛け合いはすさまじいの一言。ジョン・レンボーンのギタープレイの健在ぶりを素晴らしい形で示しています。

 なお、クラリネットとリコーダーを担当しているディック・リーは、シンガポールのシンガーソングライターのディック・リーとは同名異人です。

http://www.john-renbourn.com/

 

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