ライブ日記 2010・秋の本州ツアー (2010年10月28日2更新)
目 次
10月2日(土)千葉・銚子 酒論たかしま(with Nem、Yasu)
10月3日(日)東京・国分寺 クラスタ(with 一卓嗣)
10月4日(月)東京・西荻窪 サンジャック(with 青木研)
10月5日(火)東京・新宿 バックインタウン(with 益田洋)
10月6日(水)東京・八王子 ふらっとん
10月7日(木)横浜 あっとぺっぷ(with 益田洋)
10月8日(金)埼玉・東浦和 宮内家(with 伊藤賢一)
10月9日(土)名古屋 源(with 石井翔太郎)
10月10日(日)大阪 5th Street(with Yousei)
10月11日(月/祝)笠岡 カフェド萌
10月12日(火)広島・加古町 OTIS!(with SHiMA、唐津人士)
10月13日(水)山口 憧古木屋。
10月14日(木)久留米 EL FLAMINGO!!(with ともぞ〜) NEW!!
10月15日(金)大牟田 カフェ シフォン(with 小川貴士) NEW!!
10月16日(土)北九州・フォークビレッジ(with 益田洋、福松幹夫) NEW!!
10月17日(日)小樽へ帰還 NEW!!
恒例の「秋の本州ツアー」、今年も満を持して行いました。
ポスターやDM、新作ベストアルバム『Echoes From Otarunay Vol.2』も用意万端。
ただし、ゴロゴロ転がして移動させるキャリーバッグに一抹の不安がありました。2010年2月、健さんとの本州ツアー直前になって必死で改造した、旅行用キャリーバッグのキャスターでしたが、どう転がしてもかしがる、へたる、倒れそうになるなど、苦労して引きずってきました。もうそろそろ限界と考え、このキャスターとの闘い、シャッポを脱ぎました。要するに、ツアーの直前になって、新しいバッグを買いました。
なかなか手ごろな値段でいいものが無いので、買い物は一苦労でしたが、かなりの容積でしかも軽いものを発見。安いおかげでキャスターは前のものとそう変わらないようですが、しょせん消耗品と割り切り、どうせだから前のより一回り大きいものにしました。売れ残ったCDをいつまでもゴロゴロと引きずっていると、予想以上に早く壊れてしまうので、ツアーではなるべく早く減らしていく努力をした結果、まあまあ想定の半分くらいは減ったのでした(笑)。恒例の格安チケット予約ですが、今回は11月の健さんとのツアーブッキングもあったせいか、行きの飛行機の予約だけしていて購入を忘れてしまい、数日前になって割高のチケットを買わざるを得なかったりして(およそ数千円の損失)、ちょっと反省点がありました。それでも、帰りの飛行機は、福岡から新千歳まで15000円也。
ホテルは、東京6連泊を始め、抜かりなくチェック。今回はありがたくもタダで泊めていただけたところが三箇所あって、本当に感謝でした。
ギターは、今回もカワセ楽器のマスターOM。
今年の小樽運河では、ヤマキF-185やスリーエスW-40、さらにエアーズA-07もよく弾いていましたが、なんといっても信頼度はマスターが群を抜いています。
さあ、ツアーの出発です。
★ 10月2日(土)千葉・銚子 酒論たかしま(with Nem、Yasu)
ツアー開始以来、持参したパソコンやiPhoneで日記を書く暇がないほど充実していました。
まず羽田空港に到着して、荷物を受け取る際に「軽い奇跡」が起きていました。ベルトコンベアで流れてきたリュックを背負って「さあ行くぞ!」と意気込むと、何かゴトッと落ちた音がします。よく見ると、以前の日記で書いたことのある、小樽運河で無くしたカポタスト(G7thカポ)だったのです! おそらくどこかに引っかかっていたものが何かの拍子に外れたのだと思いますが、てっきり紛失したと思っていたものが出てきて、いやあこんなことってあるもんだな、と思いました。図らずも幸先のいいスタートとなりました。
[写真:Nemさんの車で、銚子までドライブ。]その後、この日のライブで競演するNemさんの車で、一路銚子までドライブさせていただきました。Nemさんとの車の旅、いつも楽しいのです。
[写真:左がYasuさん、右はokayanさん。]この日は、「酒のたかしま」という酒屋さんが約一年前に始めた日本酒バー、酒論(さろん)たかしまにて、初めてのライブ。おかげさまで初日から大盛況でした。 Nemさんの友達で、銚子にお住まいのYasuさんには本当にいろいろお世話になりました。
そのYasuさんのギターでのオープニング、さらにちょうど鹿島スタジアムのイベントで演奏されていたokayanさんも急遽参戦。まさに神出鬼没な人(笑)。
[写真:リハのときのNemさん。コールクラークがいかしてる!]Nemさんのリズミカルかつメロディアスなギターソロもたっぷり堪能。苦労して怪我を克服されたという歴史が、Nemさんならではの個性的なグルーブ感を生んでいるのでしょう。
新作に向けてのレコーディング、がんばってください!お仕事がお忙しい中、Nemさんのおかげで私たちも楽しい時間が作れました。
[写真:私(浜田)。ご覧の通り、ステキな日本酒バーは満席!]私も、負けじと初日の演奏をぶちかましたのでした。今回はベストアルバム2種が揃った記念ということで、普段やっていなかったオリジナル曲も交えながらのパフォーマンスでした。
最後のNemさん、okayanさんとのセッションが終わると、いよいよお楽しみの打ち上げ・日本酒タイム(笑)。ここに健さんがいたら絶対喜ぶなあ、と思いつつも頂いたすばらしく美味な吟醸原酒。至福の時を過ごしたのでした。
★ 10月3日(日)東京・国分寺 クラスタ(with 一卓嗣)
[写真:犬吠でしばしの観光旅行。Yasuさん、ありがとうございます!]この日の朝は、せっかくだから銚子観光しようという話になり、一泊お世話になったYasuさんのお宅から、銚子電鉄で犬吠へ。会社員時代に観光で一度行ったきりだった犬吠崎の灯台も見られました。 その他、犬岩、地球が丸く見える丘、さらに千葉国体(?)などなど、いろんな場所を巡らせていただき、Nemさんともども楽しい時を過ごしたのでした。アジのたたきがまたウマイのなんのって、素晴らしかったです。
銚子の畑の上に聳え立つ風力発電用風車群も、壮観な景色でした。ボクたちは風になった!
その後、またまたNemさんの車に便乗して、南千住の安ホテルへ...(この後6連泊)。
いつもの旅の感覚が戻ってきました(笑)。
[写真:一くんは、スズカワギターで美しい演奏。]さて、この日のライブは、旧友の一卓嗣くんと、おなじみクラスタでのジョイント・ライブ。ここでも、和気藹々と盛り上がり、楽しいライブとなりました。 一くんのシンプルで美しいアルペジオと織り成されるメロディー、不思議なインプロや単音弾きの妙技も含め、変化に富んだ素晴らしいパフォーマンスでした。
「はだし奏法」って、なんかイイですね(笑)。何かこう、幸せの予感みたいなものも、随所に感じられました!
[写真:浜田隆史と、別人・覆面シンガー。]私は、昨日よりも少しクラシック・ラグの比率を多めにした演奏。ピアノのクラシック・ラグをお聴きになるお客様がいたので、急遽曲目を変えたのでした。 さらに特別ゲストの覆面シンガーくんも呼んだのですが、10月なのに彼は「暑い暑い」とこぼしていました...。
私も、今回のツアーで新規導入した「エグザイル風帽子」(別名「チンピラ帽」)が蒸れて困りました(笑)。
[写真:共演はちょっとブルージーに。]一くんは、私の「ジョン・フェイヒイ繋がり」の友人でもあります。この「アメリカン・プリミティブ・ギター」の感覚をセッションで実践できるギタリストは、私が知っている中では他に前澤勝典くん、Youseiくん、小川倫生くんなど。日本では少数派かも知れません。 私がプロデュースしたトリビュートCD『涙』は、今回のツアーでも一枚も売れませんでしたが(トホホ)、ギター界の先人に学ぶことはまだまだ無限にあると思います。この日のセッションは、そんな気持ちで演奏しました。
帰りはまたまた盛り上がり、いつもお世話になっているマイミクのらりびーマルサンさんのお車で送っていただきました!
泣きたくても、酔っ払って涙も出ないくらい感謝したのでした。
★ 10月4日(月)東京・西荻窪 サンジャック(with 青木研)
この日は、若手4弦バンジョー奏者、青木研さんとのジョイント・ライブでした。青木さんの音源を以前サンジャックから紹介されて、一発でファンになっていたので、本当に楽しみにしていたライブ。むしろ私がお客として聴きたかったライブでした。
[写真:浜田隆史。ちょっとマジメモード。]はやる気持ちを抑えて、私は前半に演奏。サンジャックでのライブ、いつもリラックスして楽しんでいます。 青木さんはおそらくきっちりした背広でいらっしゃることが、告知の写真などで事前に予想できていたので、私も自分にしてはキリッとしたシャツと帽子で対抗(?)しました。
でも、後に同じカッコで、この翌日のライブに出たら、共演者の益田洋さんから「パジャマみたいだな」と言われました〜。
[写真:青木研さんの4弦バンジョーソロ。圧巻でした!]青木さんとはこの日が初対面でしたが、本当ににこやかで楽しいお人柄のさわやかな青年。初めての人にもわかりやすい解説と楽しいバンジョーソロ、まさに圧巻でした。 バンジョーというと、私はブルーグラスの人たちとは交流がありましたが、4弦バンジョーでしかもラグタイムや古いアメリカ音楽(さらにチックコリアの「スペイン」や「アルハンブラ宮殿」まで!)をソロで演奏するという人は、おそらく日本ではほとんどいないのではないかと思います。
レパートリーも幅広く、数知れないセッション経験から生まれたであろう柔軟かつ変幻自在のプレイは、ラグタイムファンのみならず、すべての人が楽しめるものです。アンコールでは、ステージで思わずシャッポを脱ぎました(笑)。
[写真:二人の共演、合わせてもらっている私もゴキゲン!]最後に「ジャスト・ア・クローサー・ウォーク・ウィズ・ジー」、「エンターテナー」、「メイプル・リーフ・ラグ」の3曲をセッションしました。 「エンターテナー」では、私は事前に間違った調を伝えてしまっていたのですか、青木さんは即座に私の演奏する調に合わせてくれて、その計り知れない実力の一端を感じました。
もっと多くの人に見ていただきたい、すばらしいライブでした。 初顔合わせとなった青木さん、ぜひまた機会を作って競演したいです!
★ 10月5日(火)東京・新宿 バックインタウン(with 益田洋)
まず、アメリカツアーに出発する直前の打田十紀夫さんにご挨拶を兼ねて、TABギタースクールに遊びに行きました。
お忙しい中にも関わらず、いつもと変わらぬ和める笑顔で応えていただいた打田さんご夫妻。
足りなくなっていたCD『クライマックス・ラグ』を数枚仕入れてから、いざ、新宿・バックインタウンへ。
[写真:開演前。左から伊藤くん、有田さん、益田さん、浜田。]この日は、今回のツアーのメインイベントのひとつ。今年三月にダコタ・デイヴ・ハルのライブのゲストで出演して以来、半年振りのバックインタウンにて、益田洋さんとのジョイント・ライブでした。 益田さんと東京で一緒にライブをするのはずいぶん久しぶりとあって、多くのお客様にお越しいただきました。10/8に埼玉県で共演する伊藤賢一くんや、日本最高のバンジョー奏者・有田純弘さんにまでお客様としてお越しいただき、恐縮でした!
そういえば、前回の益田さんの北海道ツアーも大盛況でした。
[写真:浜田隆史。確かにこうして見るとパジャマのような...]久しぶりのバックインタウン、なんかこう、柄にも無く、ちょっと緊張してました。「浜田は、お客がいっぱいいるとかしこまってしまうなあ」とは益田さんの言葉。かといって、いなきゃいないでまた困ります〜。 今年から恒例となった歌モノ「PAブルース」、いつも歌わせていただき、ありがとうございます。決して特定の誰かを指している歌ではないのですが、まあ、アーティスト諸氏は、もっとPAの方と仲良くしましょう(笑)。
[写真:益田洋さんのナイロン弦ギターソロ。]気心の知れた益田さんとのライブは、いつもリラックスして楽しめます。 この日に間に合った新作「Good Day Sunshine」は、久しぶりのオールビートルズ曲集(しまった、CD交換するのを忘れていました!)。
ライブでも「シーズ・ア・ウーマン」などの効果的なアレンジに加え、過去のアルバムで発表されていた「ペニー・レイン」「キャント・バイ・ミー・ラヴ」の改善版を聞くことができました。
[写真:対照的な二人のトーク。浜田「いやいやいやいや。まあまあ。」]私との最後のセッションは、おなじみ「さらばジャマイカ」と「メイプル・リーフ・ラグ」。もっとセッションを多くしたいなあ、というくらい、益田さんとの共演はいつも和めるのです。
益田さんとは、この後もツアーの何箇所かで顔を合わせることになるのでした。帰りは、伊藤賢一くんのお車で送っていただき、激・感謝でした!
この日は、初めての町・八王子で、ツアー初の単独ソロライブでした!
札幌のシンガー、工藤忠幸さんからご紹介いただいた「ふらっとん」。
ギターソロや弾き語りに適した広さ、そして気さくなお店の方々の雰囲気が、心地よいスペースを作っているお店です。
[写真:左・お店のビーフハヤシ。右、近くのお店の看板(笑)。]リハのとき、「ギターの出力はこちらへお願いします」とダイレクトボックス(ライン入力できるPA装置)を出していただきましたが、私は迷うことなくギターの音はマイクなしの生音でお願いして、歌とMCだけマイクにしてもらいました。 バックインタウンで競演した益田さんが事ある毎に言われていますが、こういうアコースティックな広さのお店は、できれば楽器の生音で満たしたいと私も思います。
[写真:ステージ写真はマイミクのケヤコさんから頂きました。感謝!]初めてのお店での顔見世的なライブになりましたが、いらっしゃった皆さんに楽しんでいただけたようで何よりでした! 音の響きが心地よく、私も自分が引き込まれるように楽しんで、ギターに歌にバリバリ弾かせていただきました。やっぱり、ギターもビールも生がいいなあ! ひょっとしたら、今回のツアーでも屈指の名演だったのでは、と我ながら思いました。
お店の方たちから、いろいろご配慮いただき、とてもありがたかったです。もっと精進しますので、これからもよろしくお願いします!
連泊中の南千住(例の安ホテル!)からはさすがに遠く、帰りがちょっとあわただしかったことだけが反省材料でした。
またぜひ機会を作ってお邪魔したいお店です。
ツアー6日目は、今年3月に初めて演奏させてもらった横浜のあっとぺっぷにて、再びのライブ。
一番最初は、Nemさんとのジョイントになる予定だったのが、Nemさんの多忙のため断念していました。そのまま私のソロになるところ、ありがたいことに益田洋さんの友情出演が実現しました(急遽決まったため、告知が十分でなくてすみませんでした...)。
おかげで、共演も含めてアットホームな雰囲気で楽しめるライブになりました。
[写真:益田さん。実はトークもいい感じなのです。]益田さんは横浜のギタリストですが、意外に横浜で競演する機会が少なく、この日はその意味でも貴重なライブでした。 バックインタウンではやらなかった曲を中心に、また楽しめるステージでした。
[写真:演奏中はスイングして、カメラに写りにくい浜田。]私は、昨日の八王子での完全ソロの感覚が残っていて、まだまだ弾き足りないくらいバリバリと弾かせていただきました。
[写真:二人の共演。あっとぺっぷの店内、独特の雰囲気です。]最後の共演は、最初はフリーでやろうと言っていたのですが、そこからやはり「さらばジャマイカ」になってしまいました(私自身はもうちょっとグダグダにフリーでやっていたかったかも)。 次の「メイプル・リーフ」で大団円、と思いきや、ありがたくもアンコールをいただき、益田さんのサポートを受けて「第三の男」「プハプハ」までやってしまいました。
お越しいただいた皆さん、どうもありがとうございました!
★ 10月8日(金)埼玉・東浦和 宮内家(with 伊藤賢一)
この日は、七日続いた関東方面ライブの最終日でした。
[写真:東京都世田谷区・桜新町。サザエさんが先導してくれました。]ライブ前の自由時間、関東ではだいたい寝ているか洗濯するか食べているか、くらいしかなかったのですが(長いツアーなので体力の消耗を抑えるという意味もあり)、しかし、それだけではつまらないのです。 この日だけは一転して、美術館鑑賞ということをしてしまいました。
話に聞いていた「長谷川町子美術館」。サザエさんや長谷川町子さんのマンガの展示はむしろ控えめで、主役は日本の美を現す芸術作品の展示でした。意外と言っては失礼ですが、予想もしていなかった芸術的な絵画の数々に、しばし見入ってしまいました。もちろん館内は撮影禁止なので、写真はサザエさんだけ。
[写真:伊藤賢一くん。ハウザーが荘厳な音!]さて、この日は、いつも噂を伝え聞いていた宮内家にて、初めてのライブとなりましたが、アコースティックな空間とお店のアットホームな雰囲気、そしてすばらしいPA装置で最高の音を楽しみました。 いつも共演している、伊藤賢一くんのハウザーや大屋ギターの響きを、また新たな気持ちで思う存分味わいました。相変わらずしっとりした、また切れのある素晴らしい演奏です。
来年一年間の予定を、きっちり怒涛のごとく入れまくっているようで、素晴らしい!私も見習わなければいけない、ギタリストの鏡です。
[写真:演奏中はスイングして、カメラに写りにくい浜田。]自分の番では、ギターの響きに自分が陶酔しながら、気合の入った演奏になったと思います。お店に掛かっていたギター、ヤマハN-700も弾かせていただき、心を込めて歌わせていただきました。 最後の伊藤くんとの共演は、私の「忘れません」と、なんとドノバンの「サンシャイン・スーパーマン」でした。なかなかない選曲で、伊藤くんのトレモロ風リードが最高にイカシていました。
共演の写真が残っていないのが残念!
宮内家は、演奏しやすく、ギターソロに深いご理解のある、素晴らしいお店でした。また近いうちにぜひお邪魔したいです。
行きも帰りも、伊藤賢一くんの車でまた送っていただきました。
翌日は、朝早くのバスで名古屋に向かわなければいけなかったので、とても助かりました。
ひれ伏すように感謝!
この日は、ツアー始まって以来の大雨に見舞われ、新宿から名古屋への高速バスは渋滞また渋滞。予定より1時間半遅れて到着しましたが、そこからが大変。さらに土砂降りになってきたのです。幸い、会場となる「源」は最寄り駅から歩いて数分の距離なので、無理やり大荷物を抱えて歩いたら、ぬれねずみ状態になってしまいました(笑)。
[写真:石井翔太郎くん。モーリスSが清涼な音を出していました。]急遽、オープニングを演奏してくれた地元の石井翔太郎くんにリハのときに聞くと、「僕はタクシーで来ました」と言われて、あちゃあ。
やっぱり私も無理しないでタクシーにしとけばよかったと苦笑いしました。
[写真:浜田。源の響きに陶酔中。]そんな雨にも関わらず、いつも以上にお客様にお越しいただきました。石井くんの美しくメロディアスなソロギターにしばし安らぎ、その後の私は、またまたバリバリと演奏。 前半はクラシック・ラグ中心、後半はフリー曲中心という構成で、歌も交えながら久しぶりの名古屋でのソロライブを楽しんだのでした。
[写真:翌日、モジャくんの車で撮影した「激安極温泉」の看板。]打ち上げは、いつものパターンと違って中華料理屋さんにて麻婆豆腐などを食しつつ、やっぱり盛り上がったのでした。 この日の晩、泊めていただいた北のモジャくん、そしてこの雨の中お越しいただいた皆さん、どうもありがとうございました!
★ 10月10日(日)大阪 5th Street(with Yousei)
この日は打って変わって快晴、気持ちのいい天気でした。
名古屋から大阪への交通手段は、定番の近鉄アーバンライナー。実に快適に安上がりに着けるのです。
そして大阪ではまたまた定番の安宿、一泊2300円なり。
しかも各部屋に有線LANが付いているというサービスの良さ。ツアーのオアシスみたいな素晴らしい宿です。
[写真:左から、私のH4、YouseiくんのH4n、益田さんのQ3。]怒涛の連続ライブツアーは、いつの間にか関西に上陸して、久しぶりに5th Streetでのライブとなりました。久しぶりにもかかわらず、お越しいただいた多くのお客様に感謝! なんとあの益田洋さんもお客さんとして見に来てくれました。
[写真:Youseiくん。誰も真似できないギター音楽。]オープニングで演奏してくれたYouseiくん、とてもファンタスティックで不思議な音使いをしてくれて、いつも感心します。 彼のようにギターを弾ける人は、この日本にはほとんどいないと断言できます。不思議な抑揚の歌にもぐっと来ました。
[写真:浜田とYouseiくんの共演。益田さんに撮ってもらいました。]私は、これまでの勢力を保ったまま南下してきた逆台風のように(笑)、思う存分弾かせていただきました。 やはり前半はクラシック・ラグ中心、後半はフリーな曲という構成でお届けして、最後のYouseiくんとのセッションでは「サイクリング」というお題でインプロ曲を弾きました。彼とのセッションは、いつもどこに行くかわからない、予測不能の面白さがあります。
終演後の打ち上げも楽しく、また危うく終電を逃しそうになるくらいでした。
[写真:笠岡で目立ったもの二種。「よっちゃれ」ってどんな意味?]大阪から阪神電鉄などを乗り継いで、岡山県笠岡市に到着しました。そして、いつもお世話になっているカフェド萌へ。 せっちゃんさんのきっぷのよさに癒されつつリハを済ませ、定番の旅館で骨休めしていると、マイミクのあがるたさんから「Sヤイリ弾いてみませんか」とのうれしいメールが。
[写真:YD-304を弾かせていただく浜田。]以前から話をされていたSヤイリの名器YD-304、少し弾いただけで超・気に入ってしまい、急遽本番でも弾かせていただくことになりました! 歌物の伴奏に使っていたら、その音の良さにますますほれ込み、予定していなかったギターソロ曲もやってしまいました。
[写真:二台のギターをとっかえひっかえできる楽しみ!]連休最後の夜とあって、さすがに超満員という訳にはいきませんでしたが、ギター一本のライブではオタルナイチューニングの曲がメインになるところ、スタンダードチューニングの曲もできて、バラエティーに富んだ良い演奏になりました。 お越しいただいた皆さん、ありがとうございました!
終演後は、旅館の名物・ヒノキ風呂も堪能して、笠岡の一夜を過ごしたのでした。翌朝は、また店に立ち寄り、モーニングをいただいて、名残惜しい笠岡の町を後にしたのでした。
★ 10月12日(火)広島・加古町 OTIS!(with SHiMA、唐津人士)
笠岡から広島へは、地道にJRの旅。
車内は冷房が効いていて寒いくらいでしたが、外は26度くらいの夏日...。
広島は意外に近く、予想より早く着きました。ホテルがチェックイン時間前に受け入れてくれてラッキーでした。
[写真:リハ中の唐津さん(中央)と仲間たち。]そしてついにOTIS!でのライブ。
いつもここまで来て、このツアーも思えば遠くに来たもんだ、と感慨にふけるのです。唐津さんが新規導入したのは、なんとスズカワギター。さすが美しい音を奏でていました。職場のお仲間との歌ものもジンとくる良い歌でした。
[写真:SHiMAさんが後ろから見えないくらいに満員の店内。]SHiMAさんのヘッドウェイ、いつも太くて素晴らしい音。ハワイアン・スラック・キーの流れるようなソロが和めます。 ほんの少し、インドの擦弦楽器、サーランギーの弓を使った擦弦奏法があり、これが絶妙の効果を挙げていました。
今度また、クラシック・ラグもやってください〜!
[写真:浜田。皆さんに感謝しつつバリバリ演奏。]さて私の番。開演直前、なぜかお腹が空いてきてしまい、急遽コンビニでチョコを買ってエネルギー補給しました。 そのおかげ、いえいえ、皆さんのおかげで大いに盛り上がり、私も今までのツアーで鍛錬した蓄積を丸ごと出すかのような、熱い(暑い?)演奏ができたと思います。なぜか、雰囲気で歌ものもいっぱい歌ってしまいました。
冴えキングさんはじめ、お世話になった皆さんに心からお礼申し上げます。
[写真:徳山駅前の、目立つ吉野家。]相変わらず寒い山陽本線の冷房を厚着でやり過ごしながら、数年ぶりに山口県・徳山駅に到着しました。 素晴らしいアーケード街があるのに、シャッターが目立つ構図は、他の町でもよく見てきました。
しかし、町を元気にするのは人間の活力だけです。安ホテルの近くにある吉野家で計二回牛丼を食べ、今回の会場、憧古木屋。(あこぎや)に行ってきました。
[写真:ヤマハL-10Sを弾く浜田。並んだギターが壮観。]憧古木屋。は、以前ライブをさせていただいた「フォークソング」というお店が移転・改称したお店で、すでにフォークの弾き語りのメッカになりつつある場所。移転してからは初めてお邪魔することになり、顔見世的なライブになりました。 お店のカラーから、多少歌ものの比率を多めにしつつ、しっかり自分のギターソロの世界もアピールしました。
さらに、お客様のギターで、店に飾ってあったヤマハのL-10Sを、せっかくですから弾かせてもらうことになり、久しぶりにビンテージ・ヤマハギターの底力を感じました。
お忙しい中いらっしゃったお客さま、そして快くライブさせていただいたお店のてらちゃんさんに感謝いたします!
また次の機会にぜひお会いしましょう!
★ 10月14日(木)久留米 EL FLAMINGO!!(with ともぞ〜) NEW!!
徳山から博多までは、高速バス。
予約がないと乗れないなどと防長バスの窓口でおどかされていましたが、当日でもふたを開けてみるとガラガラでした。おどかさないでよ〜。
しかし、こうして博多までくれば一安心。久留米まではJRで一直線なのです。
[写真:創業昭和29年、来福軒のラーメン! いとうまし。]JR久留米駅前は、新幹線開業のため様変わりしていて、全く昔の面影がありませんでした。あのからくり時計は一体どこへ? 最初は来た駅を間違えたかと思いました。 しかし、以前も味わった駅前の久留米ラーメンを数年ぶりに食して(もちろん替え玉もバッチリいただきました)、「う、うまかバイ...」。数年前の記憶がよみがえりました。
その後、ともぞ〜くんが新たに作ったお店「EL FLAMINGO!!」にたどり着きました。
[写真:リハ中のともぞ〜くん。カッコいいぞ!]ブルーのライトがクールなバーで、ともぞ〜くんのいなせな性格が素直に出ているかっこいいお店でした。まだ改装中のようで、これからさらにステージが広くなるとのこと。 ともぞ〜くんのギターソロ、つい一ヶ月前にパパになった(おめでとう!)人生への決意というか、スケールの大きさを感じてぐっときました。
[写真:愛器マスターを弾く浜田。気合とリラックスの両立!]私も、今出来る最高の演奏で応えたつもりです。適度な広さ+良質なPAのおかげで、気持ち良く演奏できました。 いつも九州のライブにお越しいただいているMさんはじめ、お忙しい中来ていただいた方々に感謝します!
その後、夜遅くまで飲んで、ともぞ〜くんお勧めの久留米ラーメンでしめた後、お店の二階で寝ました。
★ 10月15日(金)大牟田 カフェ シフォン(with 小川貴士) NEW!!
さて、赤ちゃんは泣くのが仕事。
夜泣きすると近所の犬が応え、犬が黙ると赤ちゃんが泣くような、ほとんど会話が成立していました(笑)。
若いともぞ〜くん夫婦の奮闘ぶりを察します。
[写真:左・旅館の壁(この奥に古い本館があり)。右・大牟田駅前。]そんなわけで、ちょっと寝不足気味。西鉄久留米駅前のドトールコーヒーで喝をいれ、いよいよ大詰め、今回のツアーでは最南端の大牟田に行きました。 迎えにきてくださったろくさんのおかげで、初めての旅館の場所がわかり、充分休むことができました。
[写真:オープニングで歌った小川貴士くん。ギターはコールクラーク。]カフェシフォンには、私は昨年以来二度目の出演となりました。九州ではラーメンばかり食べていますが、ここのスパゲッティがまた素晴らしくおいしいのです。 オープニングを務めた小川貴士くん。
自分の言葉で等身大の気持ちを歌う彼の、若々しい歌声を楽しみました。
[写真:愛嬌を振りまく浜田。ファッションも少し進歩した(?)]その後、私もまたまた思う存分ギターを弾き、また歌わせていただきました。
大牟田の音楽を楽しむ文化は、本当に見ていて励まされます。つかの間でもその一部になれたことを誇りに思います。
[写真:ろくさんたち。ラーメンを食べる場面ばかりですみません。]終演後は、やはり昨年もお世話になった大牟田ラーメンのお店。...うますぎる。
私は、特にラーメンが好きな人間ではないのですが、九州のラーメン文化の前には脱帽。食べる機会があれば何杯でもいけてしまいます。
★ 10月16日(土)北九州・フォークビレッジ(with 益田洋、福松幹夫) NEW!!
ろくさんと大牟田駅で別れて(この間、面白いエピソードもあったのですが、それはまあ割愛[笑])、そして快速電車で小倉へ。
いよいよ長かったソロツアー、最後のライブの日になりました。
そうそうたるミュージシャンが出演している小倉のライブハウス、フォークビレッジにて、益田洋さんとのジョイントライブが行われました。
マスターの小野さんと、今年もお会いすることが出来ました!
出演者が書き継いでいく、フォークビレッジ恒例の伝言ノート、なんと光栄なことに私宛に、あの山木康世さんのメモがありました!
ありがとうございます!
私も、11月に出演される岸部眞明さんに伝言を残しました。
[写真:じんわり良い感じ、福松さんのソロ演奏。]オープニングを務めた福松幹夫さんのギターと歌。 前回同様フォルクローレの伝統に根ざした、地味ながら心温まるもので、お世辞抜きで感動しました。
[写真:浜田。ステージ写真がSF映画みたいでカッコイイ!]私は二番手で登場。
ついにこのツアーで最後のライブとなりましたが、そんなに気負うこともなく、今まで二週間で培ってきた流れを引き継いだ、よいパフォーマンスになったと思います。
後で益田さんが「この日が一番よかった」と言ってくれたのですが、私自身は今回のツアー、どこでも自分に出来る最高のプレイでお応えしたつもりです。
でも、長いツアーの最後、いろんな意味で万感の思いが入っていたのかもしれません。
[写真:益田さん。リラックスした充実の演奏。]いよいよ益田さんの大トリ。
ジャニス・イアンの日本公演に招待されるという素晴らしい栄誉をもらい、ますます充実の演奏と、今までの人生経験を踏まえた含蓄あるトークが、お客様の心を捉えていました。
最後のメイプル・リーフの共演は、もはやお約束になりました。
さて、ツアーも終わり、この日は朝に益田さんとお茶してから別れ、一路福岡空港へ行き、出発の一時間前に到着。
余裕があるかと思いきや、実は、以下のように一悶着あって、ヒヤヒヤの出発になってしまいました。まず、ANAの荷物預かり所にて、「(20キロの基準値より)7キロオーバーなので、2000円お預かりします」と言われました。ツアー出発時より荷物は軽くなっているのに、なぜか今更基準通りの超過料金を取られそうになったのです。あまりひどくなければ、少々のオーバーは見逃すのが多くの航空会社の慣例なのですが(実際、同じような荷物で新千歳空港や羽田空港では何も言われなかったのです)、ある場合で取られたり取られなかったりというのは困ります。
一旦は払ったものの、さすがの私も納得できず、こちらから「リュックを機内持ち込みにすればどうでしょうか?」と持ちかけると、「それなら超過料金はかかりませんよ」と言われたので、もちろんそうしてもらいました。(これは本来おかしい話で、機内持ち込みも含めての基準値のはずですが、こちらに有利なので黙っていました。)
いつもは預けてしまうリュックを機内持ち込みにするのは、実はなるべく避けたいことでした。なぜなら、PCやレコーダー、チューナーなどの金属製品がいくつも入っているからです。全てリュックから出して箱に入れて、これですんなり検査所を通れると思ったら、今度はラジオペンチが長さの基準に引っかかりました(基準値は15センチまでで、私のは17センチほど)。
搭乗時間が迫っているのに、このままでは手荷物預かり所に戻って手続きをやり直すことになりそうだったので、さすがの私も頭にきてしまい、「100円ショップでも買えるものなのに、そんな事はやっていられません。置いて行きます。」と、ラジオペンチの所有を放棄したのでした。しかしよく考えたら、あのペンチは実家から借りていた古いもので、それなりに愛着もあるものだったので、残念でしたが後の祭りでした。ツアーの最初でカポタストが出て来て、最後ではラジオペンチを失うという、なかなか数奇な旅になったのでした。
それにしても、福岡空港の杓子定規な頭の堅さは、ちょっと要注意です。最後に面倒が起こってしまいましたが、無事に新千歳空港に着いたら、気温は9度。
福岡では26度だったので、気温差がありすぎでした〜(笑)。まあそんなわけで、今回のツアーも何とか無事に終了。
ライブにお越しいただいたお客さま、ライブハウスやお店の皆さん、そして素敵な共演者たちのお力があればこそ、ここまで来ることができました。
改めまして、どうもありがとうございました!次回は、2011年1月、ラグタイム・ギターのパイオニア、David Laibmanの来日に合わせた関東方面小ツアーを行います。
どうぞよろしく!(完)