――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3.2006年10月27日(金) 東京・松尾ホールでのコンサート風景。
ついにこの日がやってきた!
この感動を言葉にするのは難しいですが、とにかくデヴィッド・トーマス・ロバーツの記念すべき来日初公演が行われました。
「スタインウェイサロン東京・松尾ホール」は、ピアノの王様・スタインウェイの日本特約店、
(株)松尾楽器商会が所有するピアノ・ホール。
席数が88席と、ピアノの鍵盤数になぞらえているところも、まさにピアノに特化していることを示しています。
松尾ホールは、考えうる限り最高のホールです。
スタインウェイのコンサートグランドピアノが、この小規模のホールでめいいっぱい鳴る、
その透明感のある音の世界は想像を超えていました。
最高のホールで最高の音楽、これ以上望むものは何もありません。私は写真を撮るヒマもなく、初めてのコンサートの裏方業務に忙殺されていました(もうよくわからないくらいおだってた?)。
だいたい、ホールの中ではなく楽屋のモニター越しに見ていましたから...
以下の写真は、ラゲディ・アンさんご提供のものです。
(曲目解説中のデヴィッドさん。多くのお客様にお越しいただき、大変盛り上がりました。)デヴィッドさんの通常プログラムは、まずショパンの前奏曲から始まります。
ラグタイム狂からすれば意外な選曲でしょうが、彼にとっては最も親しみのある作曲家で、奇をてらったものではありません。
そこから代表曲の一つ「Pinelands Memoir」に繋がるスリリングな展開は、何度聴いても感心します。
曲が終わると熱心に解説を交えるデヴィッドさん。
もちろん英語ですが、事前配布していたプログラムが聴衆の助けになったと思います。
おそらくどの会場でも女性に一番人気だったロマンチックな曲「Babe Of The Mountains」。
一転して奇妙な世界へ続く「Ice Floes In Eden」と「Charbonneau」の深遠な響き。
汎アメリカ音楽として傑出している組曲「New Orleans Streets」の芸術性。
近年のテラ・ヴェルデの傑作「Nancy's Library」には胸が熱くなります。
そして、前半最後の痛快なラグタイム、「Kreole」は人気の高い曲。あっと言う間にどんどん貴重な時が過ぎていく....!
後半の曲の解説は次の日に譲るとして(笑)、初日の演奏なのに想像以上の素晴らしさ。
私は涙を堪えながら見ていました。
(花束をもらうデヴィッドさん。)休憩時間に受付に商品を並べるのが遅れてしまったので、後半の最後は心を鬼にして、
私はアンコールを見ずに受付へダッシュ(二曲もやったのに!)。急いで商品を並べ、終演後は販売に大忙し。
そうか、これなら写真なんて撮れないはずだ。
でも、私の心は、この初日の大成功で満たされていました。
(CD・楽譜・絵画など商品の数々。飛ぶように売れ、ホールの締め切り時間を少しオーバーしてしまいました。)会場には私の知り合いも多数見に来ていただいて、本当に感謝感激。
今回のツアーのことで何度も相談に乗っていただいた、打田十紀夫さんご夫妻もいらっしゃいました。
こうして、初日を最高の演奏で応えてくれたデヴィッドさんの素晴らしさに、
私は改めて彼のファンになってしまったのでした。
(浜田とデヴィッドさんのツーショット! 我が人生最高の瞬間です。)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
さて、ここでエピソードを一つ。
デヴィッドさんは、もらった花をとても大事にする人でした。
普通、アンコール時にもらう花は儀礼的なもので、邪魔なら付き人に預けたりするものですが、
デヴィッドさんはいくら邪魔になっても肌身離さず、持って帰ろうとするのでした。
別の日の時など、頂いた花がかさばって、どうしても移動しきれないときは、
花束から数本を抜いて、あとはホテルのフロントに頼んで「水をやって育ててくれ」と言ったりするのでした。
何気ないことですが、これはとても印象に残っています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−