ライブ日記2008(2月with健さん)(2008年2月26日更新)

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 目 次

はじめに

2月13日(水)東京 新宿・バックインタウン(with 小松崎健)
2月14日(木)東京 国分寺・クラスタ(with 小松崎健)
2月15日(金)東京 西荻窪・サンジャック(with 小松崎健)
2月16日(土)名古屋・遊器ゆあさ(with 小松崎健)
2月17日(日)名古屋・源(with 小松崎健)
2月18日(月)空き日程 NEW!!
2月19日(火)大阪 上本町・ダ・スポンジ・カフェ(with 小松崎健、河栄) NEW!!
2月20日(水)大阪 吹田・5th-street(with 小松崎健) NEW!!

 

◎ はじめに

 2007年後半から、私はいまさらながら音楽の世界にますますのめりこんでいます。
 2007年10月に制作したソロCD『太陽の音楽』(OTR-022)は、オリジナル曲もカバー曲も交えて、何の制限もなく作った自分自身でも気に入っているアルバムですが、何をいくら作っても創作意欲は全然衰えません。小松崎健さんとの新ユニット結成が決まったのはそんな時期でした。

 2007年10月はじめ、運河でストリート演奏中の健さんから「浜田くんは、ソロで本州ツアーに行けていいなあ」と言われたとき、私はキョトンとしてしまいました。全く意外な気がしたのです。健さんこそHARD TO FINDで全国あちこちでの演奏経験があり、常に音楽の先輩というイメージが強かった健さんの言葉とは思えなかったのです。でも、グループ4人でのツアーは移動から宿泊からやはり大変らしく、そうそう気軽に行けるものではないらしいのです。しかしそれならダルシマーソロだってツアーできるでしょうに、などなどいろいろ話しているうちに、じゃあ二人でユニット組んで行けばいいという話になりました。
 もちろん私から見ても、これは願ってもない機会。
 ギターソロ以外のジャンルに挑戦するチャンスをいただき、ワクワクしながら少しずつ準備を進めてきました。

 そもそも小松崎健さんは、私の人生における最初の音楽仲間と呼べる人で、その出会いは私が大学2〜3年生くらいの頃だったと思います。健さんは、当時札幌の北13条にあったブルーグラス喫茶「ジャック・イン・ザ・ボックス」の経営者にして、素晴らしいバンジョー・プレイヤーでした。お店にはアコースティック関連のレコードも売っていて、私は機会さえあれば入り浸ったものです。ここを舞台にして、北大のブルーグラス研究会の人たちとの交流があったり、フェスに参加したり、私もいろいろな音楽経験を重ねてきました。自分の生涯初めてのライブも、ジャック・イン・ザ・ボックスで行われたのです。

 その後、健さんはハンマーダルシマー奏者となり、私も紆余曲折あってギタリストになりましたが、二人が純粋にライブ共演したのは2003年1月の一回きりで、あとは例外的なものでした。この長いお付き合いの歴史に比べ、共演の機会はほとんどなかったのです。

 このような経緯で、今回は私にとってもいろんな意味で意義深いツアーなのでした。

 

★ 2月13日(水)東京 新宿・バックインタウン(with 小松崎健)


[写真:新千歳空港にて。(健さん撮影)]
 北海道から東京までは、格安航空券で羽田までひとっ飛びでした。

 健さんによると、HARD TO FINDでは車を使った移動が主だったらしく、今回も最初は車で行こうかというお話もあったのですが、少人数であれば交通機関で行く方が安上がりだし、自動車の運転や駐車場所などで演奏前に疲れなくても済むので、やはりこういう形になりました。


[写真:ギタローさんの家。(健さん撮影)]
 羽田からまっすぐ、この日から三日間の宿をお世話になるギタローさんご夫婦の家に行き、荷物を預けました。

 ギタローさんはやはり健さんを通じて知り合った友人で、近いうちに小樽に引っ越してお店を始められるとのこと。今回はその引越し前にお世話になるのです。
 ちなみに、健さんを通じて知り合った友人にはあだ名を持っている人が多く、名古屋が誇るプロの道化師(クラウン)「北のモジャ」くんや、後に神戸でお世話になった「高橋どないなっとんねん」さん、などなど...


[写真:バックインタウン入り口。「えっ、健さんは?」(健さん撮影)]
 予定のリハの時間からかなり遅れてしまいましたが、やっとバックインタウンに到着。

 実は集客が心配だったのですが、ふたを開けてみるとかなりの盛況でした。
 健さんがこういう形でツアーをするのは珍しい機会ということもあり、会場には東京在住のハンマーダルシマー奏者や愛好家、その他ミュージシャンなど、その繋がりから多くの方たちが見えられました。私独りではこうは行きません。

 健さん様様です、と後で言ったらいきなり「健様さんさん?」などと突っ込まれました(笑)。


[写真:ソロ演奏中の浜田。(健さん撮影)]
 初日から最高のシチュエーションで、私は舞い上がりながら気持ちよく演奏できました。

 健さんとのコンビネーションは、このツアー以前のCD録音、ライブ出演などでできる限り鍛えてきたつもりですが、まだまだ経験次第でどんどん向上していくだろうと思います。例えば、CD『運河のカラス』に収録した「山歩き」のアレンジは、この日のライブを境に少し変わっています。

 最初にツアーを企画した昨年10月ごろは、まさかこんなに共演曲ができるとは思っていなくて、「ソロ+ソロ+最後に何曲かの共演」のようなイメージを持っていたのですが、全く違う形になって統一感が増し、 大変よかったと思います。

 ともあれ、ライブは無事終了し、CDも飛ぶように売れ、ツアーは好スタートを切ったのでした。
 帰りは、お客様として見に来ていただいたプロのサンポーニャ奏者・岡田浩安さんたちと一緒に帰り、ギタローさんの家の近くに住んでいる岡田さんは、後から打ち上げになだれ込みました。実は岡田さんも、健さん繋がりで知り合った友人。吉田ユウ子さんとのユニット「トロ」は、追分ラッキーフェスで聞いて感動した名ユニットです。
 健さんを中心にした人の輪が、時と場所を飛び越えて結びついている気がしました。

 

★ 2月14日(木)東京 国分寺・クラスタ(with 小松崎健)

 健さんもギタローさんもお酒が好きな人。健さんと二人で、泊めてもらうお礼に何か買おうという話になったときも、とにかくお酒を捜し求めて上石神井駅周辺を歩き回りました(コンビニで売っているようなニセモノではダメなのです)。期せずして春のような陽気。今頃、北海道は暴風雪に苦しんでいるだろうということを考えると、まさに天国にいる気分でした。


[写真:クラスタでの共演。(田中さん撮影)]
 クラスタは、私の本州ツアーでは毎回お世話になっているお店ですが、ここで健さんと共演するのはまた新鮮な気持ちでした。

 共演曲の息もピッタリ。
 私のあまりに普通過ぎるステージ衣装以外は何の問題もない(?)、素晴らしいステージだったと思います。


[写真:健さんのダルシマーソロ。(田中さん撮影)]
 どの会場でも、ハンマーダルシマーの珍しい姿と美しい響きは大好評でした。愛好者の輪が全国に広がりつつあるのもうなずけます。

 健さんもダルシマー教室を開いたり、ダルシマーの輸入代行をしたり、まだまだ知られていないこの楽器の魅力の普及活動に努めています。


[写真:恥じらいの覆面シンガー。(田中さん撮影)]
 そして本当にすみません、またが出てしまいました。

 今回の客層は、私と初対面の人が多かったので、実は彼を出そうかどうか悩んだのですが、彼自身はそんな悩みなどどこ吹く風。だいたい、クラスタにもしっかり「超ゲスト」として名前が出ていましたので、出さないわけにも行かないし...。

 彼は「フリー・アルバイター」、そしてバレンタイン・ライブにピッタリの「もてない男」という歌を歌ったそうです。覆面の下の顔は、多分真っ赤だったに違いありません。

■ 史上最大の忘れ物

 さて、ここで、私のツアーで最大の忘れ物「リュック忘れ事件」について語りたいと思います。
 クラスタ終演後、ビールもいただき、いい気分になりながら帰路に着きました。
 西武国分寺駅から上石神井まで向かうという、普段の経路とは若干違う路線。健さんと楽しく語らいながらの移動。
 今思えばここに気の緩みが...
 東村山駅で1度乗り換えて、目的地までの電車に乗り込んだ際、ギターを網棚に置こうとすると、なんだか背中が軽いのです。

 あれっ、ない?

 そう、足台、録音機材H4、歌詞カード、それにたくさんのCDを入れた私のリュックを、どこかに忘れてきてしまったのです。うそ? さすがにサーっと血の気が引けました。今だから笑い話になりますが、このときは文字通り、途方に暮れてしまいました。健さんと二人で作った『運河のカラス』もその中にあったため、このままでは健さんにもご迷惑に...っていうかこの時点ですでに十分迷惑になっているし。あっ、さっきクラスタでいただいたチョコレートまでリュックに入れていたんだ...

 とりあえず東村山駅まで戻ってホームを探しましたが、それらしいものは無し。ホームに忘れたのではないようでしたが、実際酔いも手伝って、自分がさっきまでどうやって帰っていたのかということも全然思い出せないのです。ひょっとしてクラスタに忘れたかな?なんて考えるくらい、全くリュックの事が記憶から欠落していました。まあ、そうでもなければこんな忘れ物はしないのですが。
 結局、東村山駅の忘れ物センターに届け出て、翌日改めて問い合わせることになりました。
 今までいろんなものをツアー中に忘れてきましたが、まさかここまで基本的な荷物を忘れてしまうとは、恐るべし我が脳。
 この日は健さんの「大丈夫、見つかるよ」という慰めの言葉を支えに、気が気でないまま日を過ごしました。

 

★ 2月15日(金)東京 西荻窪・サンジャック(with 小松崎健)

 不安の中でもぐっすり眠ったらしく、この日の目覚めは意外にさわやかでした。
 さっそく健さんのケータイから電話をかけさせていただくと、

 「お届けいただいた紺色のリュックですが、」
 という前置きが異常に長いもののように思えましたが(実際はほんの2〜3秒のはず)、

 「夜の12時○×分、電車内で見つかりましたので....」

 見つかった? やった! あった! ありがとう!
 昨日からも東村山駅の駅員さんの紳士的な態度にずいぶん安心できましたが、改めて感謝。しかも、最寄り駅から東村山駅まで忘れ物を取りに行く際は、「忘れ物引換券」という券をもらって無料で行くことができるという素晴らしさ。私はここで内心、西武ライオンズのファンになることを誓いました。
 さっそく、起き抜けの状態で真っ直ぐリュックを取りに行きました。ここに忘れ物事件は解決したのです。
 それにしても、後から考えるといろいろラッキーだったようです。忘れたのが終電間際だったこと、すぐに届け出たこと、長距離路線ではなかったこと、中身が非常にわかりやすいものだったこと、そしてお世話になっているギタローさんの家が近くだったことなど。これが山手線や京浜東北線などだったら、最悪のケースもありえたはずです。改めて、不幸な中での自分の幸運を思わずにはいられませんでした。

 さて、せっかくこうして外出したので、ついでに今回の旅の宿題の一つだった「格安新幹線チケット購入」をしようと思い、そのまま西武新宿まで行って、新宿に多い格安チケット店をはしごして探しました。明日は名古屋の予定があり、しかも通常のライブより早い1時からのスタートなので、どうしても新幹線を使う必要があったのです。しかし、なかなか格安と呼べるほど安いチケットがなく、重たいリュックを抱えてうろうろした割には、数百円程度の違いしかなく、ちょっとガッカリしました。

 しかし、ここで無駄にバタバタ歩き回ったことが、後で自分の体調管理に悪影響を及ぼすとは思いませんでした...


[写真:サンジャックでの健さんリハ。]
 この日お世話になったのは初めてのお店「サンジャック」さん。アットホームな雰囲気のステキなお店で、いろんなミュージシャンのライブが行われています。

 開演前には、mixiでの知り合い、健さんの音楽仲間たち、ギタローさんたちなども含めて、まさに超満員状態。ここで燃えなきゃ男じゃないというくらい、理想的な雰囲気でした。


[写真:開演前の店内(健さん撮影)。]
 曲順やライブの構成など、私たちもずいぶん慣れてきて、この日のパフォーマンスはさらに研ぎ澄まされた印象でした。皆さんのおかげで素晴らしいライブになったと思います。

 ああ、もっと写真を撮っておくんだった!

 そして、またもCDが飛ぶように売れ、こっちもどこかに飛んでいってしまうくらい幸せでした。

 しかし私は一方で、内心、自分の体調が気がかりでした。
 最初は花粉症かなと思いましたが、どうやら風邪気味であることをここですでに自覚していたのです。
 リュック忘れ事件で受けたショックから、次にこんな落とし穴が待っていようとは...自分が情けない。

 しかしこの先もまだ予定があるので、だましだましやっていくしかありません。
 幸い、せきなどはそんなにひどくありませんでした。
 健さんにはまた迷惑をかけてしまうことになって心苦しかったのですがこのことを伝え、せめて健さんやギタローさんたちには移らないようにと願いつつ、この日眠りについたのでした。

 

★ 2月16日(土)名古屋・遊器ゆあさ(with 小松崎健)

 この日の朝、ギタローさんたちに別れを告げ、新幹線で颯爽と名古屋行き。
 あいにく、具合が悪いのは相変わらずで、新幹線の中で仮眠を取って少し楽になったくらいでした。
 しかし、私は過去に、もっとひどい状態でステージに立ったことがあります。そのときから比べればずっとマシでした。


[写真:遊器ゆあささんの前で。(健さん撮影)]
 新幹線口でマーミンカさんやたつやさんと待ち合わせ。今回のライブを企画してくださいました。

 そしてゆあささんに到着して、お店の歴史の古さに驚くと共に、お店の方たちの温かいお心遣いに感激しました。
 おばあさんの作ってくれたハヤシライス、最高においしくて、これがどんなに貴重なエネルギーになったかわかりません。

 この日は計三回の演奏があり、体力をつけないと乗り切れないところだったので、とても助かりました。


[写真:第一部の演奏風景。(マーミンカさん撮影)]
 お客様も一部・二部ともたくさんお集まりいただき、ここで張り切らなければミュージシャンじゃありません。

 不思議なことに、体調は最悪でも、演奏は自分でも不思議なくらい絶好調でした。自分の音を客観的に把握することができ、健さんの音も、皆さんの楽しんでいただいている反応もよくわかり、集中力がいつもより数段上がっている感じでした。

 小樽運河でも、たまにこういう状態になることがあります。ただ、演奏以外はからっきし気が付かなくて、例えばレコーダー「H4」で録音することも忘れていました。


[写真:気合の入ったパフォーマンス。(マーミンカさん撮影)]
 この日の宿泊は、当初千数百円の激安ホテルにお世話になるつもりでしたが、土壇場で予約できないことになってしまい、4180円の無難なホテルに落ち着きました。そのホテルへは、一部と二部の合間に二人でチェックインして、すぐ店に戻って二部の演奏。

 2Days(同じ店で二日連続ライブすること)というのは経験ありませんが、1日2回ライブというのはもっと経験がありません。不思議な気分でしたが、より多くのお客様に出会うことができて、まさに充実した一日でした。

 そして晩からは宴会に突入し、二人の演奏も交えながら楽しい飲み会となりました。
 私はあまり無理せず脱力モード。熱でフラフラしながら皆さんの笑顔を見つめていました。
 この日の私のことを「ずいぶん無口な人だなあ」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
 実はこんな状況でしたので、ここで改めてお詫びいたします。

 とにかく、このツアー中で最も大きな動員を記録した、素晴らしい一日になりました。
 帰りには雪まで降ってきて、雰囲気抜群。
 改めまして、マーミンカさんやたつやさん、そしてお店の方々、お越しいただいたお客様に感謝したいと思います。

 

★ 2月17日(日)名古屋・源(with 小松崎健)

 安ホテルに連泊。本当は北のモジャ君のクラウン公演を健さんたちと見に行く予定だったのですが、相変わらず熱っぽい体調だったので、ホテルでおとなしく寝ていることにしました。モジャ君ごめん!



[写真:ホテルで撮った写真。下はスプリンクラー。]
 ところが、ここでまた困ったことが起きました。朝の10時近くになってフロントから電話があり、「連泊のお客様も10時から3時までは部屋を空けていただきます」とのこと。
 このホテルは過去に何度も利用していたのですが、連泊は初めてで、まさか日中は入り口を閉じ、フロントに誰もいなくなってしまうとは思いませんでした。

 私はここで外に出たらまずい、せっかく作った時間が何にもならないと思い、食い下がって何とか部屋に残ることができましたが、逆に3時までは外出もできないことになりました。

 ご飯も食べられないため、自販機コーナーで酒のおつまみ(柿ピーと裂きイカ)を買って、ご飯の代わりにしていました。いかに私でも、これはさすがにきつかった...しかし、半日休んだおかげで、記念におつまみ写真を撮るくらいの余裕が出てきました。

 その後、健さんとマーミンカさんたちとホテルで合流、コンビニで買ったパンをぱくつきながら源に向かいました。


[写真:不気味モードの浜田と健さん at 源。(マーミンカさん撮影)]
 この日はさすがに風邪を隠し通せなくて、念のためにマスクをつけてライブに臨みました。しかし、モジャ嫁さんからいただいた健康ドリンクと、源の山下さんからいただいた風邪薬が効いたらしく、MCにも余裕が出てきました。

 源さんにはいつもお世話になっていますが、今回はまた一味違った「こたつライブ」。客席に三つのコタツを備え、みかんを食べながらくつろいだライブ鑑賞ができるという、実に素晴らしい雰囲気のライブになりました。この日は、むしろお客になりたかった!

 演奏の方も実にいい音で決まり、昨日から続くいい感覚がこの日も生きていました。


[写真:左から私、たつやさん、マーミンカさん、山下さん。(健さん撮影)]
 最初は打ち上げに出ないでホテルに戻るつもりだったのですが、体調も朝に比べたら少しよくなってきたし、ちょっと顔を出そうと行ったら、串カツはおいしいしホルモンもいけるし、気が付いたら最後まで飲み食いしてしまいました。

 一人で寂しくホテルで休んでいるより、よっぽど体調回復を助けた飲み会だったと思います。お店から近くの飲み屋さんでの打ち上げ、実はいつも楽しみなのです。

 源でのライブ、また機会がありましたらぜひお願いします!

 二日間にわたってお世話になったマーミンカさん、たつやさんには本当に感謝したいと思います。

 

★ 2月18日(月)空き日程 NEW!!

 この日、私は本来お世話になるはずだった神戸の高橋さん宅へは行かず、大阪の安ホテルに連泊の手続きをしました。少しよくなってきたとはいえ、まだ風邪の状態が思わしくなく、万が一にも移したら大変なので、ご迷惑にならないように別行動をとったのです。高橋さんにはご心配をおかけして申し訳ありませんでした。連泊にしたのは、念のためということと、明日の予定が天王寺に近く、帰りが楽だなというのもありました。

 いつもの旅では近鉄の各駅停車で、どれだけ安く移動できるかの挑戦をするところでしたが、今回は特急の安いチケットでスムーズに移動。何度もご紹介している天王寺動物園前の安ホテル、あの伊藤健一くんも昨年のツアーで利用して、大いにくつろいだそうですが、さもありなん。このホテルのいいところは、チェックインがいつでもOKというところと、門限がないこと。また、1Fのインターネット端末も自由に利用できます。ただ安いホテルということなら全国各地にいろいろあると思いますが、ここまで自由にお世話になれるところは、私は今のところここしか知りません。

 さっそく最寄の交番で病院の位置を聞き、歩いてすぐのところにある「ファミリー太子病院」へ。もう体調の悪さのピークは超えていたと思いますが、この休日を利用してきちんと治さないといけません。数年前にツアー中風邪でダウンしたとき、健康保険証を持っていなかったせいで苦労したため、それから数回のツアーでは持ち歩くようにしていたのですが、のどもと過ぎれば熱さ忘れるということか、今回は忘れてしまっていました。薬代と合わせて自己負担・計7千円くらいかかりしまたが、体調管理も仕事のうち。必要なお金はかけなければいけません。まあ、5月にもソロツアーで大阪まで出かける予定があるので、そのときに還付を受ければいいことに気づき、ちょっと気が楽になりました。

 この日の出来事はそのくらい。養生に専念して、明日に備えました。

 

★ 2月19日(火)大阪 上本町・ダ・スポンジ・カフェ(with 小松崎健、河栄) NEW!!


[写真:コーエーさんの入魂の歌!]
 午前中いっぱい休み、やっと頭がすっきりしてきました。ここまで来たら、もう大丈夫です。

 上本町(私はいつも「かみほんまち」と発音してましたが、「うえほんまち」が正解!)の駅で健さんやコーエーさんと待ち合わせ。懐かしいスポンジ・カフェにまたお邪魔しました。

 コーエーさんはライブの中間部で出演。意表をつくクラシックのギター・ソロから、待ってましたのシマウマの歌まで、相変わらずの楽しいパフォーマンスで客席を沸かせていました。ありがとう、コーエーさん!


[写真:スポンジ・カフェでの運河兄弟!(コーエーさん撮影)]
 この日のリハ時の最初、自分のプレイがあまりにヘロヘロなのに驚きました。一日休んだだけでこうも違うとは...リズムも握力も無意識レベルの正確さもまるでダメ。内心あせりながら、入念に一つ一つリハ演奏していくうちに、調子を取り戻していき、開演までには何とか無難なレベルまで回復しました。

 入りきれないくらい超満員のお客様の前で、無様な演奏はできません。コーエーさんからも元気をいただき、健さんとのユニット演奏にどんどん熱が入りました。


[写真:左から健さん、あだちさん、コーエーさん、私。]
 健さんのお知り合いでフィドル・インド音楽の達人・アダチさんも交え、最後に一大共演が実現しました。この盛りだくさんのライブの最後を飾るにふさわしい、ビッグ・エンディングになりました。

 アダチさんの変幻自在の対応力には、演奏しながら横から聞いていて感服しました。すごい!

 この日はツアー唯一の投げ銭ライブでしたが、いっぱいお金を投げていただいたお客様に、最大限の感謝をしたいと思います。

 そのアダチさん、無理して帰るより格安ホテルの方がよさそうでしたので、私の泊まっているホテルをご紹介。お気に召して何よりでした。こうして、私のミュージシャン仲間にどんどんこのホテルの愛好者が広まっていくのです(笑)。

 

★ 2月20日(水)大阪 吹田・5th-street(with 小松崎健) NEW!!


[写真:スモークで雰囲気抜群の二人。(Youseiさん撮影)]
 泣いても笑ってもこの日が最終日。数年ぶりにお世話になる本格的なライブハウス「5th-Street」さんです。フィンガースタイル・ギター・ソロのライブがよく開催されていますが、ダルシマー&ギターというのはセットとして珍しかったと思います。

 落ち着いた雰囲気で、これまでのツアーの集大成という感じの、いい演奏ができたと思います。
 店長の前田さんはじめ、スタッフの皆さんたちに感謝したいと思います。


[写真:ソロ演奏中の浜田。(Youseiさん撮影)]
 今まで触れていませんでしたが、私は今回も2本のギターを持ってきました。オタルナイ・チューニング用にマスターOM、スタンダード系チューニング用にはツアーで初めての起用となるイバニーズAW−70DMを使いました。

 マスターの力強く野太い音は、イバニーズのバランスのよいコンパクトな音と好対照で、国産ギターの多彩な音色を表現できたのではないかと思います。


[写真:健さんの流麗なダルシマー・ソロ。(Youseiさん撮影)]
 健さんのハンマーダルシマー・ソロは実に美しく、キャロランの王道メロディーからブルーグラスのメドレーまで、多彩なリズムと豊かな響きが楽しめました。

 ジョン・レンボーンを例に持ち出すまでもなく、キャロランをはじめとしたアイリッシュ曲をレパートリーに取り入れているソロ・ギタリストは多いです。ギター以外の楽器による本格的なアイリッシュ演奏は、そういうギタリストたちにも大いに参考になると思います。

 そして終演後は、健さんのお姉さんのお車で途中までお送りいただき、その後電車で三宮まで行きました。
 ついに、神戸の高橋どないなっとんねんさんのお家にご厄介になりました。私は数年前にもお世話になり、久しぶりの再会なのです。音楽を愛する高橋さんご夫妻、そして同じくこの日泊まったフィドル奏者の赤沢さんも交え、楽しい語らいがいつまでも続きました。

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 翌日、高橋さんの所有ギターを何本も弾かせていただきました。みんな、安いのにとてもいいギター。ギルドのメイプルサイドバックのギターとか、国産ヘッドウェイの小柄なギターとか、ものすごくいい音を出していた中国製ヘッドウェイとか、あまり見かけないギャリソンとか、私も鼻をピクンピクンさせながら堪能いたしました。

 もっといろいろ語り合いたいことは多かったのですが、ついに飛行機の時間。神戸空港まで車でお送りいただき、私と健さんはついに雪の北海道の帰ってきたのです。神戸の暖かさとは雲泥の差で、まさに別世界でしたが、やはり帰ると安心します。よく冗談交じりに「寒くて帰りたくないなあ」なんて言うのですが、帰りの電車で小樽の日和山灯台の光が近づいてくるのを見るたびに、私は小樽の人間であることに心から喜びを感じるのです。

 今回のツアーは、ご紹介してきた通り、いろいろなことが起こった思い出深い旅でした。こんな情けない私と一緒に旅をしてくれた健さん、お世話になった皆さんたちに改めて感謝すると共に、これからもツアー中は体調に気をつけながらがんばらなければ、と気持ちを新たにするのでありました。

 なお、私の次回のツアー(ソロ)は5月中頃から始まります。そちらもどうぞよろしくお願いします。
 ではまた!

(完)

 

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